2025/07/11

【納豆で腸活】たった2つの材料で手作り納豆|納豆菌の健康効果と簡単レシピをご紹介

weeeat!編集部
【納豆で腸活】たった2つの材料で手作り納豆|納豆菌の健康効果と簡単レシピをご紹介

こんにちは!weeeat!編集部、栄養士で発酵マイスターの山崎です。皆さん、7月10日は何の日かご存知ですか?
そう「納豆の日」です! 私のご飯のお供ランキング第一位は、納豆。そのくらい納豆が好きで、毎日の食生活には欠かせません。
今回は、そんな納豆への愛を込めて、皆さんにとっておきの「納豆作り」をお届けしたいと思います。
「なんか難しそう…。」と思ったあなた、ご安心ください。材料はスーパーの納豆と水煮大豆のみ!
市販の納豆を”種菌(たねきん)”にして、納豆から納豆を作るんです。また一度作った納豆は、また次の納豆の”種”として使えるので、まさに無限ループ!
さあ、皆さんも手作り「無限納豆」に挑戦して、育てる楽しさと、豆本来の味を楽しみませんか?

納豆ってどんな食べ物?

手作り「無限納豆」に挑戦する前に、まずは「納豆ってどんな食べ物なんだろう?」という基本的なことから押さえていきましょう。

皆さんご存知の通り、納豆は大豆を原料とした発酵食品です。大豆に含まれるタンパク質を、納豆菌という微生物が分解することで、私たちの体にとって吸収しやすい「うま味成分」に変化させてくれます。これによって栄養価がさらに高まる、とても優れた食品なんです。

納豆の名産地と言えば茨城県というイメージが強いですよね。茨城県や福島県を中心とした関東や東北地方では、古くからその地域に根付いた郷土料理としても親しまれてきました。地域によって様々な工夫が凝らされているのも、納豆の面白いところです。

納豆には「糸引き納豆」と「塩辛納豆」の2種類がある

皆さんがよくご存知のあの納豆、実は大きく分けて2種類あるんです!

糸引き納豆

まず1つ目は、私たちが普段からご飯に乗せて食べている、あのネバネバと糸を引く「糸引き納豆」です。スーパーで見かけるお馴染みのパック納豆です。一般的に「納豆」というと、このネバネバ納豆を思い浮かべる方がほとんどでしょう。ご飯のお供やお酒の肴として、老若男女問わず、日々の食卓で大活躍しています。 

この糸引き納豆は、大豆と「納豆菌」で作られます。蒸した大豆に納豆菌を繁殖させて発酵させることで、あの独特のネバネバが生まれるんです。そして、約20時間(ほぼ1日)という短時間で出来上がります。意外と早いですよね!

昔ながらの伝統的な作り方は、蒸した大豆を稲藁(いなわら)で包み、約40℃くらいの温かい場所に1日ほど置いていました。稲藁に自然と付いている納豆菌が大豆に移り、増えて発酵が進むことで納豆になります。まさに、自然の力を借りた製法で、昔の人の知恵ってすごいなーと思います。

現在では衛生面や品質をいつも同じに保つために、稲藁はあまり使われません。代わりに、納豆菌だけを純粋に培養したものが、発酵をスタートさせるための「スターター」として使われているんですよ。

塩辛納豆

そして2つ目は、あまり知られていないかもしれませんが、ネバネバしない「塩辛納豆」です。こちらは、はるか昔、奈良時代に中国から「豆鼓(とうち)」として食べられていました。日本には醤(ジャン)と言って調味料の一種として伝わったと言われています。

日本では、お寺で盛んに作られていたことから「寺納豆(てらなっとう)」と呼ばれるようになりました。実は、「納豆」という名前の由来もお寺に関係しています。寺院の納所(お供え物をするところ)で作られた豆という意味で「納豆」と呼ばれるようになったんです。豆だけに豆知識でしたね!(笑)

塩辛納豆は、黒っぽい色をしていて、塩気が強く、味噌のような深いコクのある味わいが特徴。静岡の「浜納豆」や京都の「大徳寺納豆」などが有名です。昔から貴重なタンパク源として大切にされてきました。

原料は、大豆・麦・塩・そして「麹菌」。糸引き納豆とは違い、麹菌で発酵させます。 その後、塩水に漬け込んで熟成させ、天日干しで乾燥させて作られます。

特徴的なのはその熟成期間。なんと、最低でも1年はかかる長期熟成なんです! この長い時間をかけることで、アミノ酸などのうま味成分がぐっと増し、まさに「完全栄養食」とも言えるほど栄養価が高まるのだとか。

私も一度試してみたら、味がとても濃厚でビールのおつまみに最高でした! 豆鼓のように中華料理の炒め物の味付けに使ったり、刻んでホタテのカルパッチョにかけると、グッと味に深み味が出ますよ。ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。

納豆菌の驚異の生命力とうれしい健康効果

私たちがこれから無限納豆づくりで活躍してもらう「納豆菌」。この菌、実はとんでもなくすごい力を持っているんです!

納豆菌は、その驚異的な生命力で知られています。まるで最強のサバイバルマスターのように、熱にも乾燥にもめっぽう強く、とってもタフな菌なんです。

その秘密は、納豆菌が持っている「芽胞(がほう)」という特殊なカプセル。卵の殻のように頑丈で、納豆菌はこのカプセルに包まれています。なんと100℃の熱湯でも死滅せずに生き残ることができます! そして、環境が整って適切な温度になると、一気に活動を始めて増えるんです(ひゃー!!)。

よく「酒蔵見学に行くときは納豆を食べちゃダメ」と言われるのも、納豆菌のものすごい繁殖力が関係しています。もし酒蔵に入り込むと、お酒作りに使う大切な麹菌に悪影響を与えてしまう可能性があるからなんですよ。それくらい、納豆菌はタフなんです!

腸活にピッタリ!

この納豆菌の強さが、納豆を素晴らしい発酵食品にしている理由です。生きたまま腸に届く納豆菌は、腸の中で活発に活動してくれます。これによって、腸の中の良い菌(善玉菌)が増えやすい環境が整えられ、腸内環境のバランスを良くしてくれるんです。 

腸が元気になれば、便秘の解消はもちろん、肌の調子も整い、美肌効果まで期待できると言われています。

納豆は「栄養の宝箱」

納豆は、納豆菌が作り出す様々なビタミンを豊富に含んでいます。 

特に注目は、脂肪の分解を助ける「ビタミンB2」。ダイエット中の方にはうれしい栄養素です。そして老化防止に効果のある「ビタミンE」。抗酸化作用があり、若返りのビタミンと言われています。骨を丈夫にする働きがある「ビタミンK2」もたっぷり。このビタミンK2は、カルシウムを骨にしっかり届ける手助けをしてくれるので、骨粗しょう症の予防にも役立つと言われています。だから、カルシウムが多い海苔やちりめんじゃこと一緒に食べると、骨の健康にはさらに効果的ですよ。

せっかく納豆を食べるなら、栄養を最大限に活かしたいですよね。先ほどのビタミンEやビタミンK2などの脂溶性ビタミンは油に溶ける性質があるので、油と一緒に摂ると体への吸収率がぐんとアップします。そこでオススメなのが、韓国のりやゴマ油と一緒に納豆を食べること! 風味も良くなる上に栄養も効率よく摂れるので、まさに一石二鳥です。

納豆を発酵メーカー(ヨーグルトメーカー)で作ってみた!

さて、お待たせしました! それでは、「無限納豆」のレシピをご紹介します。 

今回はひきわり納豆を使用しますが、粒納豆(一般的なサイズ)でも問題なく出来ますよ。大豆はスーパーに売っている水煮タイプで手軽に作ります。大豆を下ごしらえしたら、種菌となる納豆を絡めて、40℃で24時間温めるだけ♪ 使用する器具は熱湯食毒かアルコール除菌をし、他の雑菌が沸かないようにします。それでは、詳しい作り方を見ていきましょう!

材料
市販のひきわり納豆:大さじ1
市販の水煮大豆:1袋(約150g)

使用する道具
発酵メーカーやヨーグルトメーカー
清潔な容器(付属しているもの)
清潔なスプーン

作り方

①ボウルにひきわり納豆大さじ1とお湯大さじ2(分量外)を加え、かき混ぜる

まず、納豆から納豆菌を引き出します。お湯は大豆を茹でる(この後)のに使うものでOK!お湯の温度は大体80℃くらいあればOKです!

②水煮大豆を23分茹でる

沸いたところに水煮を投入します。グツグツ……。

水煮なのでそのままで食べられますが、納豆らしい柔らかい食感にするためと豆の温度を上げるために茹でます。

大豆の固さは指で簡単に潰れるくらいがベスト。

③ザルに上げて水気を切る

余分な水分は粘り気の妨げになるので、しっかり水気をきりましょう。

④大豆が熱いうちに納豆を合わせる

納豆菌を引き出した①のひきわり納豆を加えます。

⑤混ぜ合わせる

納豆菌が大豆全体に行き渡るようにするのがポイントです。ひきわり納豆の粘りを活かすように、優しく全体に均一に混ざるように丁寧に混ぜましょう。

⑥容器に入れる

よく混ぜ合わせた大豆を、発酵メーカー(ヨーグルトメーカー)の専用の容器に移します。

⑦時間と温度をセットする

発酵メーカー(ヨーグルトメーカー)で、40℃-24時間にセットします。

⑧タオルを1枚かませる

納豆菌は酸素を呼吸しながら発酵を行う「好気性」という性質です。きっちりフタをしてしまうと発酵が進まず、うまく納豆ができません。納豆菌が呼吸できるよう、フタを少しだけずらしておくか、タオルを1枚かませます。

⑨発酵させる

ここから丸一日発酵させます。出来上がりまで、しばしお待ちを…。

⑩24時間終了後

大豆のまわりの白っぽいものは納豆菌の菌糸です。うまく出来ている証拠です!

⑪冷蔵庫で1日置く

容器を冷蔵庫に入れ、1日~2日熟成させます。糸を引いて入れば大成功です!!出来上がりまであと一歩!(笑)

⑫出来上がり!

さて、うまくできているかな。醤油とネギとよく混ぜたら、ご飯にオン。うーん、納豆の良い香りがしますね。 

それでは、一口パクリ……。うん、うまい!

市販の納豆より、豆がふっくらして美味しいです! 豆の風味がフレッシュで「手作りした」って感じがします。美味しくてあっという間に食べてしまいました(笑)。

納豆作りのポイントのおさらい

・温度管理
納豆菌は約40℃で最も活発に活動します。この温度帯を保つことが、成功の鍵です。

・発酵時間
発酵時間は、季節や室温、使用する発酵メーカーによって異なります。20時間を目安に、途中経過を確認しながら調整してください。

・途中で確認
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時間〜18時間くらい経ったところで一度フタを開けてみてください。表面が白っぽくなり、納豆独特の香りがしてきたら成功に近づいています。糸を引くようになれば、発酵が進んでいます。

・熟成させる
発酵が終わったら、冷蔵庫に移して「1日~2日」熟成させます。熟成させることで、納豆の旨味と香りがさらに増し、粘りも強くなります。この工程を怠ると、水っぽく味がぼんやりした納豆になってしまうことがあります。じっくりと熟成させることが、美味しい納豆を作る秘訣です。

いかがでしたでしょうか?「納豆の日」にちなんで、納豆の魅力とご自宅で手軽にできる、手作り「無限納豆」をご紹介しました。
作った納豆を「種菌」にして、また納豆を作れちゃいますよ。

手作りの納豆は、市販の納豆よりも大豆の存在感があって、高級納豆のようでした。何より「自分で作った」という楽しさがありました。
それでは、素敵な納豆の日をお過ごしください!

weeeat!編集部
weeeat!編集部は、私たちの大切な「食」を中心に、人と地球にやさしい情報を発信していきます。 “地球にやさしい取り組み”を共感・実践する仲間とともに、サステナブルな社会と文化を目指します。

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