2022/08/03

次世代のライフスタイル「誰もが我慢をしない世界」をヴィーガンで

weeeat!編集部
次世代のライフスタイル「誰もが我慢をしない世界」をヴィーガンで

モデルや環境省のアンバサダーとしても活躍され、ビューティーフード協会を運営している室谷真由美さん。ヴィーガンの第一人者として自身の経験から生み出したメソッドを活かし、ヴィーガンの正しい知識を伝えるために「日本ヴィーガン協会」を設立されました。
日本国内はもとより世界中のヴィーガンレストランやマクロビショップを食べ歩き、3,000件以上の店舗をInstagram(@muroya_mayumi)などで紹介しています。「食の大切さ」を伝える活動をしている室谷さんに、今ブームとなりつつあるプラントベースフードやヴィーガンの未来についてお伺いしました。

マクロビで知る自分の体 美味しい出会いをきっかけに

— weeeat!編集部

室谷さんとヴィーガンの出会いを教えてください。

ー 室谷さん

2008年にフランスのピンクリボン活動(※1)「一般社団法人オサン・デ・ファム日本支部」のイメージモデルを担当しました。その際、連載を持たせていただくことになり、健康的なライフスタイルについて発信することが決まったのです。当時は、野菜ソムリエに注目が集まっていた時期でした。健康を求めるならば「食」からなのではと考え、マクロビ(※2)の資格を取ろうと思い立ち、講座を受講しました。

— weeeat!編集部

「ロハス」など地球環境と健康について見直され始めていた時ですね。

— 室谷さん

そうです。モデルをしていたので常にカロリーには気を遣っていたのですが、私の場合「好きなモノだけを食べてカロリーを抑える」という方法でカロリーコントロールをしていました。

ダイエットをするのは大変、だから好きなモノだけを食べようと。そんな私が一番好きなものはお菓子だったので、普段の食事をお菓子だけで済ませていました。

痩せているものの、当時はコレステロール値が異常に高く、体質だから仕方がないと思っていました。不調も多く、春には花粉症、生理不順に冷え性、肌荒れに便秘と、とても健康とは言えない状態でした。

そんな中受講したマクロビ講習の初日、教科書1ページ目から大きな衝撃を受けたことを今でも憶えています。自分の間違った知識が覆され、食生活が現状の健康状態につながっていると深く納得しました。講座ではマクロビのお弁当も用意されており、そこで初めて食べた玄米が本当に美味しくて感動しました。こんなに美味しくて健康になれるのならチャレンジしてみようと、すぐに玄米と野菜中心の生活に変えました。

— weeeat!編集部

食生活を変えて体調に変化はありましたか?

— 室谷さん

玄米生活を始めて2週間後には、体質だからと諦めていたコレステロール値が平均値まで下がっていたのです。それまでお菓子のカロリーを計算し、量を制限しながら食べていましたが、玄米と野菜中心の食生活に変えてからは、満足する量を食べても理想の体重をキープできるようになりました。

※1 女性の乳房を守る活動。日本乳がんピンクリボン運動についてはこちら(https://www.j-posh.com/)

※2 正式名称は「マクロビオティック」。穀物・根菜・豆類など野菜を中心とした食事法のことを言います。

日本のヴィーガンが変わる 正しい知識を

— weeeat!編集部

現在はどのような活動を行われているのですか。

— 室谷さん

最初に学んだマクロビやヴィーガンなどの知識と私自身の経験を踏まえて、より健康的で美しくなれる食事法を伝える活動をしています。過度なダイエットによる拒食症や体内の不調など、健康に悩んでいる方は少なくありません。ヴィーガンやプラントベースフード、ベジタリアンなど様々な呼び方や食事法がありますが、私が伝えたいのは「食の大切さ」です。

「体に負担がない季節の美味しい食材を、伝統的な調味料でいただく」。そのように食事法を見直していくと、生産者の方の姿まで見えてくるようになります。無農薬伝統農法で苦労して作られた食材は、人間だけでなく地球にも優しいのです。

— weeeat!編集部

室谷さんは環境省が主催する「つなげよう、支えよう森里川海」(※3)プロジェクトのアンバサダーも務められていますよね。

— 室谷さん

国の政策でヴィーガンやプラントベースフードの理解を深めようという活動に、専門家としてお手伝いしております。海外ではレストランだけでなく、スーパーや雑貨店に至るまでヴィーガンに対する理解が進んでいたのに対し、10年前の日本ではヴィーガンレストランを探すのも大変でした。しかし、最近は国内のヴィーガンに対する認識が変化しているのを感じます。

ー weeeat!編集部

これからもっと広がると良いですね。

ー 室谷さん

まだ「ヴィーガン」という言葉も初めて聞く方も多いので、とにかく正しく知ってもらうことが大切だと思います。ヴィーガンは様々な考え方がありますが、自分にフィットする正しい知識を持ってもらえるよう、「日本ヴィーガン協会」(※4)を立ち上げました。この協会がヴィーガンに興味のある企業や団体、個人の方にも繋がっていける場所になるよう活動を続けていきたいと考えています。

※3 「つなげよう、支えよう森里川海」プロジェクト アンバサダー

https://www.env.go.jp/nature/morisatokawaumi/ambassador.html

※4 日本ヴィーガン協会 

https://vegan.or.jp/association/

「VEGAN AWARDS 2022」文化貢献賞を受賞

地球の未来を託す子ども達に 今だから伝えたい想い

— weeeat!編集部

今後、目指す活動について教えてください。

ー 室谷さん

現在の活動を広げていき、未来を担う子どもたちに対しても食の選択肢を知ってもらいたいと思っています。

先日、環境省のアンバサダーとして交友を深めた八王子市内の小学校の校長先生から、「ヴィーガンの給食はできないか?」と相談を頂きました。以前からそちらの小学校では月に1回「みんなで食べられる給食の日」を設けており、食物アレルギー対応給食を出すなど取り組みを行っていました。

校長先生は、ヴィーガンは味気なくパサパサした料理とイメージされていましたが、環境省のイベントで私がプロデュースしたヴィーガン料理を食べていただく機会があり、大変美味しいとお墨付きをいただきました。

美味しくて地球環境にも良いヴィーガンという文化体験を子どもたちにもぜひ体験してほしい、という校長先生の想いもあり、「みんなで食べられる給食の日」を「ヴィーガン給食」として提供することになったのです。

給食が余った日は「おかわりジャンケン」をするそうなのですが、普段の給食だと食物アレルギーのあるお子さんはジャンケンに参加できません。しかしこの日には参加が出来る。普段はおかわりが出来ない分、クラスのお友達はその子に譲ってあげようとしましたが、「みんなとジャンケンするのが楽しいからいいの。ジャンケンしよう」と言ったそうです。

このお話を聞いた時に、食事の内容を変えるだけでみんなが楽しめる空間になるのは本当に素晴らしいことだと思いました。未来を担う子ども達にも「ヴィーガンという選択肢がある」ということを知ってもらえるように活動を続けていきたいですね。

ー weeeat!編集部

とても素敵なエピソードですね。室谷さんのご活動をweeeat!編集部一同応援しております。

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