2022/11/09

おしゃれでカワイイ! 「八百屋&ジューススタンド」がオーガニックを貫く理由

weeeat!編集部
おしゃれでカワイイ! 「八百屋&ジューススタンド」がオーガニックを貫く理由

(株)協同商事は、ワールドビアカップで3度銀賞を受賞したCOEDOビールを製造しています。「健康の基礎となる食べ物は安全でおいしいものを」という創業者の言葉通り、1970年代から有機栽培無農薬野菜を作る農家を支える流通業を営んでいます。そんな(株)協同商事が手がける新しいプロジェクトが、ORGANIC&CO.(オーガニックアンドコー)です。
有機野菜の量り売りをする八百屋と、「ボタニカル・バー」と呼ばれるジューススタンドを併設する店舗に込めた想いを、朝霧CEOにWeeeat!編集部宮島が伺いました。

日本で有機野菜が浸透しない理由

―weeeat!編集部
ビールを製造している会社が八百屋を手掛けていることに驚きました!お店を始められたきっかけを教えていただけますか?

―朝霧CEO
有機野菜をもっと手軽に、身近に感じてほしいという思いからです。
海外に比べると、日本では有機野菜を積極的に取り入れる人が限られています。一般的に有機野菜は「安心」「安全」「美味しい」。だから取り入れると、健康に良いという認識を持たれている方が多いのではないかと思います。
ただ「有機野菜以外の野菜は危険で不味いか?」というと一概にそうではないのです。人の体のことだけを考えると有機野菜を選択する理由は弱くなります。それが日本で有機野菜が浸透しにくい原因なのです

―weeeat!編集部
なるほど。 なぜ海外では有機野菜が積極的に取り入れられているのですか?

―朝霧CEO
一番の違いはサスティナビリティに対する意識の高さです。
良い悪いといった考えから少し離れて考察してみましょう。農業は地球の環境目線で見ると、自然に生えている草木を取り払い、人間の有益になる植物だけを植え、有益でない雑草は薬で排除する。つまり、地球環境を汚染するものになっています。自然と共生しているようで、そうではないんですよね。

しかし、たくさんの人が生きていくために必要な食料を確保するには、自然に出来る食物だけでは足りなくなっています。
だからこそ少しでも環境に優しい方法があるなら、それを選択したいという想いが欧米諸国の人たちにはあるんです。人が生きていくためにも自然や環境を守らなければいけない。巡り巡って人のためになることでもあるんです。

―weeeat!編集部
日本では、どのような方が有機野菜を購入されるのですか?

―朝霧CEO
オーガニックスーパーで購入する人は高級志向の裕福な人で、おしゃれなライフスタイルの1つとして取り入れています。また、個人のオーガニックショップで購入する人は、深刻なアレルギーをお持ちの方や、食に対してストイックな取り組みを行っている人が多い傾向にあります。残念ながら、誰でも気軽に取り入れられる状態ではないのが現状ですね。

新しくて懐かしい「量り売り」

―weeeat!編集部
そうなんですね。
日本と欧米諸国のマーケットには、どんな違いがあるのでしょうか?

―朝霧CEO
欧米諸国で有機野菜が浸透している理由の1つに「量り売り」があります。個包装をする日本は、海外に比べて野菜の規格が厳しいんです。スーパーに野菜を卸すとなると、流通コストや売り場に並んだ時の美しさから、大きさが揃っていて傷のない商品を求められます。また「1袋100g」など重量も揃っていなければなりません。そうなると規格外の野菜は、味が変わらないのにはねられてしまうんです。それを解消するためにも、僕たちが取り入れたのが「量り売り」です。大きさも形も購入する方が、使いたい料理に合わせて、自由に選んでもらえばいいんです。

―weeeat!編集部
なるほど! なので「量り売り」なのですね。
あと、八百屋さんにジュースバーがあることに驚きました。

―朝霧CEO
「ボタニカル・バー」のことですね! 八百屋として運営する以上、どうしても売れ残りの野菜や果物が出てしまいます。そんなロスを少しでも解消するためです。
柔らかくなりすぎたフルーツや売れにくい野菜などを急速冷凍することで、次の日のスムージーの原料として生まれ変わらせます。とことん環境に配慮した店にしたかったんです。

有機野菜に触れるきっかけを作りたい

―weeeat!編集部
フードロスを減らすことができますね!
今後の展望があれば教えてください。

―朝霧CEO
Z世代と呼ばれる若い世代の人にこそ、有機野菜の良さを伝えていきたいです。
直接肌に触れる化粧品についても、オーガニック素材を使ったものが注目を集めています。体の外側だけでなく、体の中に取り入れる食べ物にも注目して、有機野菜を取り入れてほしいなと思います。
「ORGANIC&CO.」も八百屋だけだと、若い世代の人との接点が少なくなってしまう。「ボタニカル・バー」で、スムージーやレモネードを提供することで、「なんだか、かわいくておしゃれ!」と思ってもらいたい。「なんだか、かわいくておいしいものを選んでいたら、それがオーガニックだった。オーガニックって環境に優しいものだよね」という自然な流れで、若い世代に有機野菜の良さを知ってもらえたら良いですね。

―weeeat!編集部
確かに、若いお客さんもいらっしゃっていますね!
では、今後予定しているイベントなどがあれば教えてください。

―朝霧CEO
これからは実際に野菜を作られている農家さんを呼んで、野菜の作り方や、レシピを紹介するイベントなども行っていきたいです。
ORGANIC&CO.の“&CO.”には、「その仲間たち」という意味が込められているんです。あと実は昔、ここって図書館だったんですよ。もともと図書館だったこの場所がオーガニックについて仲間たちと学ぶ場所になる、というストーリーを目指して、様々なイベントを開催していきたいですね。

番外編:weeeat!編集部がお買い物してきました!

大宮駅から歩くこと10分。武蔵一宮氷川神社の参道沿いにお店はありました。扉を開けると、お洒落な空間が。

まずは、八百屋を覗いてみましょう。さつまいも、ビーツ、里芋、バターナッツなど種類豊富な野菜が並んでいます。大ぶりのもの、小ぶりのものなど様々な形があり、「大きい!」「この形可愛いな~」なんて独り言を言いながら、野菜選びをしました!

野菜を選び終わったら、次はお会計。
量りの上に野菜を置くと、グラムによって金額が表示され、値札シールが出てくる仕組みです。買った野菜は、持参したマイバックへ。

↑基本的に梱包はしていないが、傷みが早い葉物は梱包して販売している。

お会計の後は、隣にある「ボタニカル・バー」へ。
オーガニックスムージーとホット豆乳のどちらも飲みたかったので、2つを注文。
スムージーは、野菜の味を感じつつ、ベリーがアクセントとなり、さっぱりと飲みやすい味です。ホット豆乳は大豆の味がとても濃厚で、優しい甘さ。雨が降る肌寒い日だったので、お腹がポカポカと温まりました。

↑オーガニックスムージー(RED)ベリー、デーツ、ビーツ、ニンジン、バナナが入っている。

店内にはジュースだけでなく、焼きポテトや焼きいもを販売していました。
店舗スタッフ市川さんによると、売れ残った焼きいもを冷凍し、焼きいもスムージーを提供したことがあるそう。焼きいもスムージーも飲んでみたかった!

店舗には、一人暮らしの学生やシニア夫婦が多く来店されるそう。「必要な野菜を必要な分だけ購入できるのがありがたい」という声をいただくそうです。

豊富な種類の野菜があるのも魅力の一つです。個人的には、近所のスーパーではなかなか見かけないデーツやバターナッツに興味津々。新しい料理に挑戦してみたいと思いました!


店舗情報

店舗名:ORGANIC&CO. 

住所:〒330-0803 
   埼玉県さいたま市大宮区高鼻町2-1-1 Bibli 1F

電話番号:048-788-4221

営業時間 :10:00~18:00

定休日:毎月第4月曜日・Bibli定休日

公式サイト

weeeat!編集部
weeeat!編集部は、私たちの大切な「食」を中心に、人と地球にやさしい情報を発信していきます。 “地球にやさしい取り組み”を共感・実践する仲間とともに、サステナブルな社会と文化を目指します。

あわせて読みたい記事

    Share

    Topへ