「もったいない」食材をアップサイクル! 逗子の“意識普通系”ショップ「Mottene」
「湘南の街をもっと面白く!」をテーマとし、空き家対策に特化した不動産を経営する株式会社UNIQUE HOMES。そんなUNIQUE HOMESでは、地域の”もったいないモノ”をアップサイクルし販売しているコンセプトショップ「Mottene(モッテーネー)」を展開しています。
代表の阿部真美さんに事業を始めたきっかけと、環境問題への想いをweeeat!編集部宮島が伺いしました。
身近にあった「もったいない」は原石
―weeeat!編集部
野菜やお惣菜などの販売だけではなく、店内で調理したお弁当などをイートインスペースで食べることができるんですね!早速ですが、Motteneはどんなお店なんですか?
―阿部さん
主に規格外で廃棄されてしまうもったいない野菜・果物を、ジュースやスープ、お惣菜に加工して販売しています。形が悪い、サイズが小さい大きい、生産過剰などにより市場で扱ってもらえない野菜・果物を買い付け、消費者に届ける活動をしています。
↑廃棄野菜を使ったお惣菜
―weeeat!編集部
店内の商品を見ていると、廃棄野菜・果物からできているとは思えないですね。Motteneの事業を始められたきっかけを教えてください。
―阿部さん
一日の中で「もったいないなぁ」と思うことが何度もあることに気が付いたんです。それで、自分が住む地域には、どんな「もったいない」があるのかを何となく探し始めました。
最初に注目したのは個人のお宅に植えてある夏みかんでした。植えられているお家の方にお話を伺うと、前のオーナーから引き継いだもので扱いに困っていたり、親世代が植えて次の世代は放置していたり、そのまま廃棄されていることが分かりました。すぐに、「庭にある夏みかんは余っていませんか?」というチラシを作って、みかんを集め、夏みかんのジュースを作りました。この活動がきっかけとなって農家でも規格外や生産調整などで廃棄される野菜や果物がたくさんあることを知ったんです。
「もったいない」野菜が生まれ変わる
Motteneでは、廃棄されるはずだったもったいない野菜や果物を加工して、Motteneの店舗とECサイトで販売しています。
□青みかんROCKビタースカッシュ
相模湾からの温暖な風が入る神奈川県の三浦半島、小田原は美味しいみかんの産地です。収穫する果実の品質向上や生産調整のために間引かれる「摘果みかん」。びっくりするほどの量が廃棄されている事実を知り、「どうにか商品化できないか」と考えたのが始まりです。まるごと絞ることで、皮に含まれる程よい苦味と香りが感じられます。果実のジューシーな甘みと酸味のバランスが取れた1品です。濃厚な「青みかんROCKビタースカッシュ」は、ソーダで割るのも良し、焼酎やジンなどのリキュールとの相性もばっちりです。
□りんごのクラフトコーラ
摘果の青リンゴが主原料のクラフトコーラです。10種類以上のスパイスと柚子果汁、山椒などが含まれています。りんごの甘みと食感が、他にない柔らかい味わいのクラフトコーラ。スパイス好きにはぜひ一度試してみていただきたい一品!ソーダやお湯割以外に、なんと! 豆乳や牛乳などにも相性が良いんです。
□青ミカンハーブソルト
神奈川県産の無農薬”摘果ミカンの皮”を主原料とした商品です。廃棄される摘果ミカンの果汁はジュースに、皮も捨てずに活用。実は、ミカンの皮は古来より”陳皮”として漢方など薬として活用され、ヘスペリジン(ポリフェノールの一種)などを豊富に含んでいます!沖縄の海洋塩、レモングラスなどを配合し、爽やかな風味が特徴。カルパッチョ、オリーブオイルと青ミカン果汁と混ぜて青ミカンドレッシングなどにしてお楽しみいただけます。
「意識普通系」だから伝えられること
―weeeat!編集部
昔から環境問題への取り組みに興味はあったのでしょうか?
―阿部さん
いや、環境意識は高い方ではなかったんです。今でも私は「意識普通系」だと思っています。たまにエコバックを忘れてしまうこともあります(笑)
過去にこんなことがありました。以前住んでいた地域では自治体が生ゴミの分別回収を検討しており、私は市民の意見交換会に参加しました。ゴミをなるべく出さないということはとても良いことだと思ったのですが、「分別を強化することで、指定された収集日時にゴミを出せない人も多いのではないか」と思ったんです。当時の私のように2拠点生活をしている方や、勤務形態から朝は自宅にいない方はどうするのだろうと。救済策を訪ねてみましたが、難しいとの回答でした。参加する意欲はあっても事情により参加できない、という理由で環境問題に対するアクションを取らなくなる方も多いんだろうなとも感じました。
私は「全部やらなくていい。自分の無理がない範囲で緩やかに意識を変えていこう」ということを提案していきたいんです。私のような意識普通系の人が自分目線で無理のないアクションを取ることが必要だと思います。
Motteneでは「もったいないモノの有効活用」「できるだけ捨てない」というコンセプトで運営していますが、一部プラスチックを使用しています。そこに指摘を受けることも多々ありますが、他の資材に変えられるものは代用し、プラスチックの利便性と性能が優れた場合はプラスチックを利用するようにしています。プラスチック容器は丈夫なので、きれいに洗って何度も使い、使い倒してから適切に廃棄するなど、自分達のできる範囲で行動をしています。
↑イートインコーナーで摘果リンゴのクラフトコーラをいただきました。サトウキビストローを初めて使用しました!
―weeeat!編集部
確かに、無理のない範囲でと言われると行動をしやすいですね。最後になりますが、Motteneさんの今後の展望を教えてください。
―阿部さん
「つなぐ」ということをテーマにしていきたいです。生産者と消費者をつなぐ。捨てられているものと知恵をつなぐ。地域と人をつなぐ。そのように「つなぐ」役割を担い、新しいものを生み出していきたいと思っています。
こんなこともありました。夏みかんの皮を洗剤のアロマとして使いたいと言っている企業が、近所にありました。私たちはお店の商品に夏みかんの実を使っていますが、皮はどう扱おうかと思っていたところでした。我々が使わない皮を提供することで、本来捨てられてしまう夏みかんを実も皮も全て使うことができました。そして「じもとの洗剤(※1)」として販売することができました。
このように思いや知恵をつなげて、「もったいない」を無くしていければと思います。
(※1)じもとの洗剤:https://jimotonosenzai.com/
店舗情報・商品入手先
店舗名 Mottene(モッテーネー)
住所 〒249-0006 神奈川県 逗子市逗子1-6-6
電話番号 080‐4110‐2421
営業時間 11:00~18:00(不定休)
Mottene (モッテーネー)の商品は公式通販サイトで購入することができます。イベント出店などの最新情報はInstagramをご覧ください。
通販サイト:https://shop.unique-veggies.shop/
Instagram:https://www.instagram.com/_mottene/