2023/07/05

お母さんの想いと有機野菜で作った“前向きな”ベビーフード「manma」

weeeat!編集部
お母さんの想いと有機野菜で作った“前向きな”ベビーフード「manma」

「農業で、社会の課題を解決する」をミッションに、安心・安全なベビーフード「manma(マンマ)」を販売する株式会社はたけのみかた。余分な調味料は使用せず、旬の野菜がもつ本来の美味しさをその「まんま」閉じ込めた離乳食をお届けしています。今回は、同社の代表取締役・武村幸奈さんに、会社設立のきっかけや、商品開発の経緯・特徴について伺いながら、manmaに込められた武村さんの想いに迫ります。

学生団体で知った「有機農業の現実」が起業の原点

―weeeat!編集部
武村さんは大学生の時に会社を設立されたそうですが、どのようなきっかけあったのでしょうか?

―武村さん
会社を立ち上げたのは大学4年生の時です。大学では政策学を学んでいたため、社会の持続可能な発展のために主体的に行動しながら、社会が抱える課題に対して組織や個人ベースで何かできないかと考えていました。

―weeeat!編集部
大学生になる前から農業に対して関心を持っていたのですか?

―武村さん
実は大学生になるまで、農業とは何の縁もなかったんです。農業よりも食文化による地域活性や町おこしに関心がありました。大学周辺の地域を「地産地消」を通じて盛り上げるために学生団体を立ち上げて、活動していましたね。

―weeeat!編集部
そこでの活動が、のちの会社設立につながるのでしょうか?

―武村さん
はい。学生団体の活動を通して、たくさんの農家さんと出会いました。その中で、最も印象に残ったのは無農薬、無化学合成肥料で農業をされている農家さん。無農薬というと、「こだわった製法で作られているから美味しいし、需要もあるから経営的に順調なんだろう」と思っていました。しかし、農家さんからは「無農薬だからこそ時間と労力がかかる」「収穫量や収入も不安定」「販路が確保するのが難しい」など、厳しい現実を聞かされました。

―weeeat!編集部
美味しい野菜ができるまでに、たくさんの努力が詰まっているんですね。

―武村さん
そうです。未来の子どもたちに美味しい野菜を届けたい、生物多様性を守りたいという志を持って有機農業を始めたのに、「販路がないから」「需要が少ないから」といった理由であきらめてしまうのはもったいないと思いました。「有機農業の価値をたくさんの人に知ってほしい。みんなのため、地球のために情熱を燃やして頑張る農家さんの想いをたくさんの人に伝えたい」。そんな想いから、創業をすることになりました。

武村さんのお写真
代表取締役 武村幸奈さん

農家の想いと赤ちゃんへの想いを形にしたベビーフード

―weeeat!編集部
有機野菜を使ったベビーフードを開発しようと思った経緯について教えてください。

―武村さん
大切にしたのは「農業で、社会の課題を解決すること」。有機農業の価値を伝える上では、農業=守られる存在ではなく、農業=消費者の困りごとや社会課題を解決するという文脈で発信していくことが重要と考えていました。

学生団体の活動の一環で、野菜市を開催していたところ、ある子ども連れのお母さんがいらっしゃいました。こじんまりした野菜市で、特に広告も出していないのにわざわざ電車を乗り継いでまで来てくれたんです。そのことに感謝しながらも、何がそこまで行動を起こさせたのか不思議に思いました。お母さんに話を聞くと、「子どもが生まれたことで食への意識が大きく変わったこと」「子どもが食べるものを選べるのはお母さん自身であること」など、食に対する切実な想いを話してくれました。

―weeeat!編集部
やはり、子どもには安心なものを食べさせたいですよね。

―武村さん
そうですね。この体験がヒントになって、子育て世代の方が有機野菜を通じて届けるビジネスができれば、農業で社会の課題を解決することができるのではないかと考えるようになりました。

「市販のベビーフードは安価でどこででも手に入るという利便性を備えていますが、色んな食材を煮込んでいるために、一つひとつの野菜の味がわかりにくいものもあります。
そのような商品に対しては、子育て世代の方も前向きな気持ちで使うというよりも、どこか後ろめたさを感じられることもあるだろうという気がしてなりませんでした。」

―weeeat!編集部
そういった経験から、「manma四季の離乳食」というアイデアが生まれたんですね。

目指したのは“前向きな”ベビーフード

―武村さん
はい。農家さんの並々ならぬ努力や想いが込められた新鮮な野菜を使い、素材の味がそのまま伝わる。かつ大手メーカーのベビーフードにはない、手作りに近い優しい味付けの商品を開発できれば、前向きな気持ちでベビーフードを使っていただけるのではないかと。そこから生まれたのがmanmaです。

―weeeat!編集部
覚えやすい名前ですね! manmaの特長についてご紹介いただけますか?

―武村さん
manmaは、野菜の風味をその「まんま」、幼児語の「まんま(ご飯)」をかけ合わせた名前です。滋賀県の有機農家で収穫された旬の野菜を使ったベビーフードで、春はにんじん・かぶ、夏はトマト・とうもろこし、秋はさつまいも・かぼちゃ、冬はほうれん草・大根というように、季節によって様々なラインアップをお楽しみいただけます。

食品添加物は不使用でアレルギー特定原材料として定義される8品目(卵・小麦・えび・かに・そば・くるみ・落花生・乳)も使用していません。また、月齢に合わせて大きさや形を調整しているのも特長です。

―weeeat!編集部
それは安心です。離乳食は毎日のことですから、手軽に買えるとうれしいですね。どちらで販売していますか?

―武村さん
はたけのみかた公式オンラインショップのほか、全国各地のスーパーで販売しています。関東圏ですと、スーパーマーケットの「ライフ」では大規模に展開していただいています。ホームページで取り扱い店舗を公開しているので、是非そちらをご覧ください。

manma四季の離乳食

農家のストーリーがつなぐ、畑と食卓

―weeeat!編集部
ホームページを拝見しましたが、農家さん一人ひとりに焦点を当てたストーリー記事が印象的でした。スーパーでも、作った人の名前や顔が見える野菜を見かけますが、どのような狙いがあるのでしょうか?

―武村さん
学生団体の活動を通じて農家さんと触れ合うようになり、野菜づくりにかける想いやこだわり、葛藤、挑戦……いろんな話を聞きました。その話とともに、収穫したばかりの泥のついた野菜をかじってみたところ、野菜本来の味が口いっぱいに広がって、思わず涙をこぼしてしまったのです。作り手の想いを感じて食べる野菜は、これまで感じたことがないほど美味しいものでした。

日本においては畑と食卓、生産者と消費者との距離はどうしても遠くなりがちです。顔や名前だけでなく、野菜に込められた作り手のストーリーを知ってもらうことで、美味しさを伝えたいという想いからコンテンツを作っています。

―weeeat!編集部
私自身も子どもがいますが、母親目線で農家さんの想いを感じることができました。

―武村さん
ありがとうございます。記事を書く上では、実際に農家さんのところに何度もお伺いして、時には農作業の手伝いをさせてもらいながら、じっくりお話を聞くようにしています。

届けたいのは「記憶の片隅に残る商品」

―weeeat!編集部
manmaは日本だけでなく、海外からの需要もありそうですね。最後に武村さんの今後の展望について教えてください。

―weeeat!編集部
確かに、日本は少子化で出生数も過去最少で80万人を下回っています。ただ、海外に目を向けると、食の安全への関心の高い方が多いため、日本のベビーフードが提案できることはたくさんあると思います。

会社設立から9年間、ベビーフード一筋でやってきましたが、子育て世代に関わる以上は、子育てしやすい社会を作ることも私たちの責務なのではないかと考えるようになりました。人生においてベビーフードを食べる期間は短いため、自然とお客様と接する期間も短くなりがちです。そういう意味では、もう少し上の年齢の幼児食をはじめ、幅広い子育ての課題に対応するような商品やサービスを提供していきたいです。

子どもに何を食べさせるか、それを選択するのは「お父さま・お母さま・保護者の皆さま」次第です。でも、自分が大人になった時に、子ども時代に食べたものを自分の子どもにも食べさせたいと思ってもらえるような、記憶の片隅に残る商品を届けていきたいです。

―weeeat!編集部
これからもはたけのみかたを応援させていただきます。本日はありがとうございました!

株式会社はたけのみかたのみなさん

店舗情報・商品入手先

店舗名 株式会社はたけのみかた
住所 〒520-3221 滋賀県湖南市三雲407-2 
manmaは公式通販サイトで購入することができます。商品やイベントなどの情報はInstagramをご覧ください。

通販サイト:https://hatakenomikata.shop-pro.jp
Instagram:https://www.instagram.com/manma_babyfoods/

weeeat!編集部
weeeat!編集部は、私たちの大切な「食」を中心に、人と地球にやさしい情報を発信していきます。 “地球にやさしい取り組み”を共感・実践する仲間とともに、サステナブルな社会と文化を目指します。

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