2024/07/26

小伝馬町「ovgo Baker」が作り出すプラントベースクッキーは“小さなやさしい選択肢” ~インタビュー+編集部実食レポート~

weeeat!編集部
小伝馬町「ovgo Baker」が作り出すプラントベースクッキーは“小さなやさしい選択肢” ~インタビュー+編集部実食レポート~

「 Doing Good Tastes So Good」を合言葉に、ヴィーガンのアメリカンクッキーを製造・販売するベイクショップ「ovgo Baker」。ヴィーガンの方だけでなく、あらゆる人と未来にとってやさしい食の選択肢を楽しく提供することをミッションとし、卵やバターを使わない100%プラントベース、かつできる限りオーガニックや国内で生産された食材で作られたクッキーを提供しています。今回は創業者のお一人、広報PR等を務める松井さんに、ショップを立ち上げた経緯や商品開発におけるこだわり、おすすめのメニューについて話を伺いました。weeeat!編集部メンバーによる実食レポートもお楽しみに!

小さなやさしい選択を積み重ねて未来を変える!

―weeeat!編集部
まずは「ovgo Baker」のコンセプトについてお伺いしたいのですが、そもそも「ovgo」という名前の由来を教えてください。

―松井さん
社名の「ovgo」は、“organic,vegan,gluten-free as options”の頭文字から名付けています。この社名には、いろいろな食の選択肢が広がることで、たくさんの人にハッピーになってほしいという私たちの想いが込められています。

日本では“ヴィーガン”という言葉を聞くと、「動物由来である食品を受け付けない、ストイックで極端な思想を持った人」というイメージを持つ方も少なくありません。私たちはヴィーガンのライフスタイルを「マスト」なものとして提案するのではなく、ヴィーガンのライフスタイルを楽しみながら、気軽に取り入れてほしいというコンセプトのもと、環境にもやさしいクッキーを作っています。

―weeeat!編集部
確かに、「毎食必ずヴィーガンにしなければならない」となると、継続するのが難しいですよね。

―松井さん
そうですね。私たちスタッフも全員がヴィーガンではありませんが、月曜日の朝ごはんだけヴィーガンにしてみよう、おやつだけプラントベースにしてみようというように、完璧じゃなくても小さなやさしい選択を積み重ねていくことで、未来は変わると信じています。
環境や動物、あらゆる人々と未来にとって、美味しい・楽しい・やさしい食の選択肢を提供することを目指しています。

―weeeat!編集部
ショップを訪れるのは、やはりヴィーガンのお客様が多いのでしょうか。

―松井さん
ヴィーガンのお客様もいますが、そうでないお客様もたくさんいらっしゃいます。
店舗によってもお客様の層は異なりますね。

―weeeat!編集部
現在はここ小伝馬町、原宿、虎ノ門ヒルズの3店舗を展開されていますよね。
ショップのインスタグラムを拝見しましたが、小伝馬町と原宿ではショップの雰囲気も違いますね。

―松井さん
はい。小伝馬町に第1号店をオープンした当初はコロナ禍だったこともあり、どんなお客様が訪れるか見当もつかなかったのですが、平日は近隣のオフィスに勤める方が訪れたり、週末はカフェ巡りをされている方や、ペットを散歩中の方が訪れたりと、多くの方にご利用いただいています。

その一方で、原宿はラフォーレ原宿に店舗を構えていることもあって、いわゆるZ世代の方が多く訪れています。原宿ではアーティストとのコラボレーション企画も展開しており、「推し活」で当店をご利用いただくお客様も増えています。

店舗外観

同級生3人で始めたプラントベースクッキーづくり

―weeeat!編集部
商品を購入されるお客様の声や反応などを教えてください。

―松井さん
そうですね。「誰にあげても喜んでくれる」と言ってくださるお客様もいますね。
身体によくて安心なものを食べたい人、食事制限のある宗教に属している人、人にも環境にもやさしいものを選びたい人、ヴィーガンやベジタリアンの人など、食に対する志向が多様化するなかで、人にあげたいと思ってもらえるクッキーを提供できていることはとても喜ばしいこと。
なかには「今まで卵アレルギーだったからこういったお菓子を食べられなかったけど、人生が変わった」というお客様もいて、本当にありがたいことだと受け止めています。

―weeeat!編集部
クッキーを通じて、小さなやさしさの連鎖が広がっているのは素敵ですね。
「ovgo Baker」は、同じ創業者の溝渕さんを中心に、小学校の同級生だった2人と一緒に立ち上げたと伺いました。ショップをオープンするまでの経緯についてお聞かせください。

―松井さん
私はもともと一般企業でPRの仕事をしていました。飲食系クライアントの案件にも数多く携わってきましたが、もっとこういう切り口でPRした方がいいのに、こういう見せ方の方がバズるのに……という歯痒さのようなものを感じていました。
そんな時に同じ創業者の溝渕から声をかけられたことがきっかけで、3人でプラントベースのクッキーづくりをスタートしました。わたし自身も学生時代に留学先で環境問題について学んでいたので興味があり、即決でした。

―weeeat!編集部
ショップをオープンする前も色々な場所で販売していましたよね。

―松井さん
はい。当時は3人とも兼業で、各地のマルシェや青山ファーマーズマーケットで販売したり、カフェにクッキーを卸したりしていました。
すると、ネットショップでたくさん注文が入るようになり、いつか本業にできたらという気持ちでいました。その後、ラフォーレ原宿のポップアップを機に、勤めていた会社を退職しました。

―weeeat!編集部
会社を辞めてまで挑戦することは、簡単な決断ではありませんね!

―松井さん
そうですね。料理人でもない、パティシエの学校で学んだわけでもない私たちが作ったクッキーが、こんなにもたくさんのお客様に喜んでいただけていることが何よりうれしくて、一度きりの人生だし、やってみようと決意しました。

松井さん

「ときめく」「食べたい」「美味しい」を大切にした商品開発

―weeeat!編集部
商品を開発・提供する上で、こだわっている点があれば教えてください。

―松井さん
はい。「ovgo Baker」のクッキーは100%プラントベースのクッキーです。とはいえ、“ヴィーガン”や“プラントベース”というよりも、いかにときめくか、食べたいと思えるか、美味しいかという観点を大切にしています。商品を開発する際は、ヴィーガンのスタッフもそうでないスタッフも、みんなでアイディアを出しながら開発しています。

―weeeat!編集部
メニュー会議、楽しそうですね。たくさんメニューがあると思うのですが、そのなかで人気があるものやおすすめの商品について教えてください。

―松井さん
メープルウォルナッツスコッキーは人気ですね。「スコッキー」はスコーンとクッキーを掛け合わせたovgo Bakerのオリジナルアイテム。外はザクっと中はホロっとしっとり、それぞれのいいとこ取りをした食感が病みつきになります。メープルとウォルナッツの香ばしさが相性抜群のコーヒータイムにもおすすめな商品です。
また、期間限定メニューも提供しており、当店が4周年を迎えたことを機に販売したアニバーサリークッキーも人気です。

―weeeat!編集部
美味しそう!食べてみたいです。
アニバーサリークッキー、カラフルで可愛いですね。

メープルウォルナッツスコッキー 写真:右
メープルウォルナッツスコッキー 写真:右

国際認定制度「B Corporation」を取得し、夢のニューヨーク進出へ

―weeeat!編集部
2022年には国内の飲食店で初めて国際認定制度「B Corporation」を取得したと伺いました。これはどのような制度なのでしょうか?

―松井さん
この認証は、アメリカの非営利団体B-Labが定めた厳しい基準を満たした企業が取得を認められるグローバル認証です。ovgoは、日本で16社目の認証企業になりました。今回の認証取得にあたっては、環境負荷の低いオーガニックやローカルの原材料使用、毎年排出した二酸化炭素のオフセットを行っている点などが評価されました。

―weeeat!編集部
日本で取得している企業は少ないのですね。事例があまりないなか、挑戦するのは大変だったと思います。認証を取得してから変化したことはありますか?

―松井さん
はい。海外の認証ということもあり、社内制度の整備や申請にも時間を要しました。
認証を取得した結果、メディアで取り上げられる機会が増え、認証を取得した異業種の企業さまからコラボレーションなどに関するお問い合わせをいただくケースも増えています。

―weeeat!編集部
ありがとうございます。最後に今後の展望についてお聞かせください。

―松井さん
はい。2019年に「ovgo」というブランドが誕生してから、ありがたいことにたくさんの方に注目いただき、店舗展開やさまざまなブランドとのコラボレーションを実現してきました。
近年は健康志向の商品が増え、日本でもヴィーガンやプラントベースに対する考え方も浸透するなかで、これまで以上に大切にしなければならないのは「ovgo」というブランドのコア。“芯”となるブランドらしさと向き合うことでこそ、成長できるのだと考えています。
ニューヨークでのアメリカ第1号店のオープンという夢に向かって、まずは足元をしっかりと固めていきたいと考えています。

―weeeat!編集部
素敵ですね。海外進出を楽しみにしています。
今日は、ありがとうございました!

店舗 ロゴ

weeeat! 編集部がおすすめメニューを実食レビュー!

こんにちは。weeeat!編集部の加藤です。

日本橋の街角にひっそりと佇むovgo Bakerさん。
まるでここはニューヨーク!?と思わせてくれる、アメリカンでとってもキュートな外観です。実際にニューヨークで大人気のLevain Bakery(ルヴァン・ベーカリー)を参考にしているとか。

一歩店内に足を踏み入れると、多種多様な焼き菓子がたくさん並んでいて、焼きたての甘い香りが漂っていました。一瞬で幸せな気持ちになれます(笑)。

ちょうど平日の午前中にお伺いしたのですが、お客様の層が幅広く、女性はもちろん、海外の方や男性1人のお客様もいらっしゃいました。
テイクアウトが多そうですが、イートインスペースもあります。カウンター席なので1人でも入りやすいのがうれしいですね。

メニューはクッキーがメインですが、マフィンやケーキ、ドリンクもありました。
見た目もすっごくアメリカンで可愛い…♡これはときめきますね。
新商品の開発は、チームみんなでInstagramを見ながらアイディアを出し合っているそうです。

さて、まちにまった実食タイム♪
松井さんのおすすめメニューをいただくことにしました。

「インポッシブルチョコレートチップ」(写真:右)

オリジナルクッキーのなかで不動の人気は、チョコレートチップだそうです。
バターや牛乳・卵も不使用なのに、香ばしさがありしっとりとしていました。甘さもちょうどよく食べやすかったです。砂糖もヴィーガン仕様のものを使っているとのことで、安心して食べられます。
そして、サイズが大きめなので、1枚で満腹感があります。朝ごはんにぴったりだなぁと感じました。

「ココナッツチャイオートミール」(写真:中央)

こちらはオートミールを使用したグルテンフリーシリーズだそうです。最近グルテンフリーも意識する方が増えていますよね。
ざっくざくな食感が楽しいクッキーで、オートミールの素朴な甘さとココナッツ風味が良い具合にマッチングしていました。

「バナナブレッド」(写真:左)

オープン当時からバナナブレッドも大人気だそうです。しっとりした生地で、濃厚なバナナを感じられます。
虎ノ門ヒルズに「ovgo Baker BBB」というバナナブレッド専門店もあるので、気になる方はぜひチェックしてください♪

見た目がおしゃれなだけではなくて、味もプラントベースと言われなければ気づかないくらい美味しい! こんなお店が近所にあったら通いたいなぁと思いました。
みなさんもovgo Bakerさんが作るクッキー、ぜひ食べてみてくださいね♪

店舗情報・商品入手先

店舗名 株式会社ovgo
住所 〒103-0001 東京都中央区小伝馬町日本橋10-8(OVGO BAKER EDO ST.) 
電話 050-1502-8698
営業時間 11:00~19:00(土日祝10:00〜18:00)

「ovgo Baker」の商品は店舗または公式通販サイトにて購入できます。
公式通販サイト:https://ovgobaker.com/collections/all
Instagram:https://www.instagram.com/ovgo_official/

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weeeat!編集部は、私たちの大切な「食」を中心に、人と地球にやさしい情報を発信していきます。 “地球にやさしい取り組み”を共感・実践する仲間とともに、サステナブルな社会と文化を目指します。

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