プラントベースで人生が好転! イタリア・ミラノ発、ヴェルヌ華子さんが送るウェルネスライフ

ファッション業界の第一線で活躍後、イタリア・ミラノからプラントベースフードの食習慣を広める活動を行うヴェルヌ華子さん。より多くの方々にプラントベースの魅力を知ってもらうために、ウェルネス・プログラム「Plantful Journey」を主催し、プラントベース料理のワークショップやイベント、レシピ開発など、さまざまな分野で活動しています。圧倒的な行動力で道を切り拓き、ファッション業界から食の世界という全く異なる分野へ転身し、チャレンジを続けるヴェルヌ華子さんに、プラントベースとの出会いやキャリアチェンジの経緯、現在の活動内容についてお話を伺いました。
人生を変えたプラントベースとの出会い
―weeeat!編集部
本日はよろしくお願いいたします。ヴェルヌ華子さんは現在プラントベースを広める活動をされていますが、以前はファッション業界で働いていたと伺いました。プラントベースフードとの出会いについて教えていただけますか?
―ヴェルヌ華子さん
初めての出会いは、パリのレストランで食べた料理です。当時、10数年間にわたってラグジュアリーブランド「CHANEL」に勤務し、フランスで結婚、出産を経験しました。日々は忙しくも充実していましたが、仕事や育児に追われ、慢性的な疲れや不調を抱えるようになっていました。
そんな時に友人の誘いで行ったレストランが、偶然プラントベースのレストランでした。それまで「プラントベース」と聞くと、「地味な料理」「我慢」というようなイメージだったのですが、実際に食べてみてびっくり。植物性の食事とは思えない味わい深さや美味しさに衝撃を受けました。
―weeeat!編集部
そんな運命的な出会いがあったのですね!
―ヴェルヌ華子さん
お肉もお魚も使っていないのに、こんなにワクワクできる料理を食べたのは初めての経験でした。「私もやってみたい!」と思って、すぐにそのシェフの料理教室に申し込みました。
―weeeat!編集部
すごい行動力! そこからプラントベースの世界に足を踏み入れていったのですね。
週1回のプラントベースでみるみる変化
―ヴェルヌ華子さん
はじめは料理教室で習ったレシピを、週に1回、自宅で取り入れていきました。そして、徐々に習慣化していきました。すると、みるみるうちに疲れや不調が改善され、体が軽くなっていったんです。気づいたら、私がずっと悩んでいた慢性の便秘がスルッとなくなり、透明感のある肌に。
私にとって、プラントベースを取り入れることは、ただ料理を学ぶということだけではなく、自分の心と体に向き合い、その変化を感じる大切な時間に変わっていきました。
プラントベースの食事を始めたことで、料理を学ぶだけでなく、心と体の変化に耳を傾ける大切な時間を得られるようになりました。
―weeeat!編集部
プラントベースの食事を続けると、物足りなさを感じてお肉やお魚が食べたくなる方もいらっしゃいますが、ヴェルヌさんはいかがでしたでしょうか?
―ヴェルヌ華子さん
そうですね。始めた頃はレパートリーが少なかったこともあり、物足りなさを感じることはありました。でも、そういう時は我慢せずにお肉やお魚を食べていましたね。
それは家族においても同様で、プラントベースを無理強いすることはしませんでした。特にフランス人の夫は、お肉もチーズも大好きなので、「急に食事を変えたら戸惑うだろうな」と思ったんです。だから、何も言わずに料理を作って出して。「何これ?美味しいね」と言ってくれた時に、「実は全部野菜で作ったんだよ」って教えて。そうやって、少しずつプラントベースの食事に変えていきました。
今ではプラントベースが当たり前の食卓になっていますが、子どもからリクエストがあれば、柔軟に対応しています。
地球の未来につながるライフスタイルの魅力を広めたくて
―weeeat!編集部
その後、会社を辞めて起業し、「Plantful Journey」を設立されると思うのですが、その経緯について教えてください。
―ヴェルヌ華子さん
プラントベースの食事を続けていると、心と体がどんどん変わっていくのを感じて。「なんでこんなに変わるんだろう?」って疑問に思ったんです。それで、もっと詳しく知りたいと思って、プラントベースとか栄養学の本を読んだり、資格の講座を受けたりしました。そしたら、ちゃんと根拠があるってことが分かって。
それから、プラントベースの生活って、自分の健康だけじゃなくて、地球にもいいんだってことを知りました。
プラントベースのライフスタイルは、単なる食事ではなく、地球の未来にもつながっていることを確信したんです。季節の野菜の美味しさや美しさを楽しみながら、ヘルシーで地球環境にも配慮できる、素晴らしいライフスタイルだからこそ、より多くの人に伝えなければならない、そんな使命感からこの道を探求する決意を固め、「Plantful Journey」を設立しました。
プラントベースで叶える理想の暮らし
―weeeat!編集部
良いものは人に勧めたくなりますよね。「Plantful Journey」ではどのような事業を展開されているのですか?
―ヴェルヌ華子さん
健康意識や美意識、食育などに関心はあるけど、何をしたらいいのかわからないという方や、年齢とともに気力・体力が落ちてきているという方に向けて、プラントベースを軸に、食習慣や生活 習慣を見直すウェルネスコーチングプログラム(オンライン)を提供しています。
プログラムでは、自分の身体と心を変えることで、どのような暮らしを実現したいのか、それを明確にすることから始めます。そのため、料理のレッスンだけでなく、植物の栄養について学んだり、家族みんなで続けられるコツを学んだり。また、料理の負担を減らすためのキッチンの整え方など、環境づくりについても学べるプログラムになっています。
また、日本で唯一のプラントベースウェルネス資格を取得できる、プラントベースエキスパート認定資格プログラムも開講しています。このプログラムでは、プラントベースのライフスタイルの価値をさらに深く理解し、専門家やコーチとして、実際の指導やコーチングに活かせる力を育みます。
―weeeat!編集部
プラントベースのレシピだけでなく、暮らしの変化や自分自身の変化を楽しむための食習慣について学べるのが良いですね!
―ヴェルヌ華子さん
そうですね。プログラムを終了しても、やり続けなければ食習慣は身につきません。一人だと続かなかったり、挫折してしまったりすることもあるので、それを支えられるようコミュニティも作っています。コミュニティでは、さまざまな分野の講師を招いて、オンライン・オフラインで料理のワークショップを開催したり、環境とプラントベースに関する講義を行ったりしています。プログラムは開講してから3年ほど経ちますが、300名の方に受講いただき、コミュニティも盛り上がっています。
―weeeat!編集部
どのような方がプログラムを受講しているのでしょうか?
―ヴェルヌ華子さん
35〜45歳のママさんが多いです。プログラムを受講する理由はさまざまですが、疲れが取れない、もっとエネルギッシュになりたい、老化を防止したいなど、ご自身の体の悩みや健康意識から始められる方が大半ですね。海外在住の方も多く、環境意識の高まりからプログラムを始められる方もいます。
旬の食材を選び、脂質を取り入れる
―weeeat!編集部
ありがとうございます。現在300品以上のプラントベースのレシピがあると聞きましたが、レシピを開発する上で意識していること、特に野菜だけで美味しくするためのコツなどあれば、お伺いしたいです。
―ヴェルヌ華子さん
やっぱり旬の食材を選ぶことで。旬の野菜や果物にフィーチャーしたレシピ開発を心がけています。美味しく作るための工夫でいえば、脂質を取り入れることです。植物性の食材と動物性の食材の一番の違いは、脂質があるかないか。脂質は「第六の味覚」とも言われ、満足感を左右する鍵です。
だからといって、油を大量に使って揚げ物を作るということではなく、アボガドやナッツ、ひまわりの種、カボチャの種などを使い、トッピング・クリーム・ソースにするなどして、脂質をうまく取り入れています。丸ごとの食材が持つ美味しさ、そして生命力をありのままに味わう「ホールフード」という考え方を意識したレシピを発信しています。
「変える」よりも「増やす」に目を向ける
―weeeat!編集部
「コク」を出しているということですよね。『weeeat!』でも意識しています。
これからプラントベースのライフスタイルを始めようとしている方に向けて、アドバイスをいただけますか?
―ヴェルヌ華子さん
私は、マインドセットが重要だと考えています。毎日の食事をすべてプラントベースに変えようとすると、体に違和感を感じたり、家族から反発されたりすることも多いものです。
まずは、プラントベースの食事に「変える」というよりも、植物性の食材を「増やす」ことに目を向けることをおすすめします。例えば、ワカメだけのお味噌汁に野菜を2〜3つ追加してみる、お肉だけの食卓にお豆のサラダも足してみる。暮らしの変化や自分の変化を楽しむためには、毎日の食習慣を、少しずつシフトすることが必要です。そういうところから、一歩一歩始めてみてはいかがでしょうか。
―weeeat!編集部
確かに、最初からすべての食事をプラントベースに変えようと思うと、知っているレシピが少ないし、マンネリ化しそうです……。
―ヴェルヌ華子さん
そうですね。レシピを見ながら、一つひとつ作るのも良いとは思いますが、自分なりのテンプレートを持っておくと続けやすいかもしれません。例えば、ビビンバやブッダボウルのように、ご飯と野菜がひとつになった料理。いつものレシピに雑穀やお豆をプラスしてみるだけでも良いと思います。
それと、私は、「たんぱく質=メイン」というようなこだわりは持たないようにしています。メインにたんぱく質がなくても、例えば、ミックスビーンズサラダや赤レンズ豆のポタージュなど、サラダや副菜でたんぱく質を摂ります。私は、野菜、お豆、雑穀が入ったミネストローネのようなスープをよく作りますが、一皿で栄養も摂れて、満足感が味わえますよ。
―weeeat!編集部
ミネストローネ良いですね! 私も作ってみたいです。
プラントベースの魅力を体感するイベントを東京・代官山で開催
―weeeat!編集部
ここまで活動内容やレシピについてお伺いしてきましたが、これらを通してヴェルヌ華子さんが伝えたい想いや、叶えたい未来について教えてください。
―ヴェルヌ華子さん
私たちは「毎日の一皿から心と身体、地球のウェルネスをつなぐ」をヴィジョンに掲げています。これは、毎日の食卓が自分の体を整え、未来の地球を守る一歩にもつながるという意味です。
自分自身の健康、環境問題、地球の未来のために、何か始めなければいけないけど何から始めていいのかわからない、行動しても意味があるのかなと感じている方も多いと思います。でも、プラントベースのライフスタイルは、自分だけではなく、地球環境にもやさしい選択肢。毎日自分が選ぶ一皿一皿が、明日の体を作り、地球の未来も作ります。行動としては決して大きなものではないかもしれませんが、その積み重ねの大切さや、食事を意識して選ぶことの大切さを伝えたいと考えています。
―weeeat!編集部
『weeeat!』も同じ想いで運営しているのでとても共感します。
今後の展望や挑戦したいことについて教えてください。
―ヴェルヌ華子さん
プラントベースの魅力を実感するには、やはり体験してもらうことが一番。そこで、2024年には、代官山CIRTYにて、「Plantful Inspirations 2024」を開催しました。トークセッション、ワークショップ、マルシェの3つのコンテンツを用意し、植物性の食材を軸にした食事を美味しく食べながら、身体にも地球にもポジティブな循環を生み出すライフスタイルを体験いただきました。
屋内外で展開されたマルシェブースは、560名ものお客さまにお買い物いただくなど、改めてプラントベースのライフスタイルや持続可能な世界のあり方への関心の高さが感じられました。このイベントは、2025年も11月8日(土)に開催予定です。
―weeeat!編集部
今年も実施されるのですね。編集部で参加させていただきたいです!
―ヴェルヌ華子さん
ぜひ! 今後も、このようなリアルな機会を提供していきたいですし、ほかにもプラントベースの食事を食べられるカフェやレストランなどの展開も視野に入れていきたいと考えています。仕事や子育てで忙しい方にとって、ゼロから毎日ホールフードを作るのは難しいものです。そういった方をサポートできるようなミールキットや、ソース・調味料などのプロダクト開発も展開していきたいです。
―weeeat!編集部
リアルな機会があると、どんどん繋がりが広がって、ヴェルヌさんの想いに共感する方も増えそうですね!
―ヴェルヌ華子さん
また、今度プラントベーススタートアップセミナーも開催するのでぜひチェックしてください。
▶詳しくはこちら
―weeeat!編集部
レシピなどの特典まで、すごく豪華ですね。チェックさせていただきます。
本日は貴重なお話をありがとうございました。
プロフィール
ヴェルヌ華子さん
ウェブサイト:https://www.plantful-journey.com/
Youtube:https://www.youtube.com/c/PLANTFULJOURNEY
Instagram:@hanako_plantful_journey