―　weeeat！編集部
「テンペ」という言葉は聞きなれない方も多いと思います。テンペについて教えてください。

―　杉山幸さん
テンペは、大豆にテンペ菌をつけて発酵させた、インドネシア発祥の大豆発酵食品です。
日本では大豆の発酵食品と言うと納豆が思い浮かびますが、納豆のような粘りや強い匂いはありません。メーカーによって味や風味の違いはあるものの、一般的にクセがなく食べやすい食品と言われています。伝統的な作り方では大豆を使用しますが、現在は黒豆や小豆、金時豆など豆の種類を変えたり、キヌアやアマランサス等のスーパーフードをミックスしたりと種類も豊富になりました。
栄養価も高く、美味しさや料理のしやすさも相まって、今や世界中で愛されています。
環境問題やアニマルウェルフェアの観点からプラントベースフード（植物性食品）を選択する人々や、健康上の理由から食の制限を持つ人々に、特に好まれています。

―　weeeat！編集部
美味しくてかつ栄養価も高いとは、とても魅力的ですね。

―　杉山幸さん
栄養価の高さはとても注目されています。テンペは健康的な体を作るのに必要な、良質な植物性たんぱく質を多く含んでいます。100gあたり15.7gと、肉とほぼ同量を含んでいるので、テンペを食べることで身体に必要なタンパク質を補えると言われています。また、大豆に含まれるイソフラボンには抗酸化作用があり、アンチエイジングの効果も期待できます。

―　weeeat！編集部
「畑のお肉」とも言われるテンペですが、どのように調理したらいいのですか？

―　杉山幸さん
原料は「お豆」なので焼く・揚げる・煮る・茹でる・蒸すなど、どんなメニューにも活用できます。テンペのおすすめ調理法をご紹介します。

薄くスライスしたテンペを素揚げして塩を振るだけ。これが一番テンペの味を味わうことができる食べ方です。ケチャップやマヨネーズ、ディップやソース等をつけて食べるも良し、ハーブ塩やカレー粉、ケイジャンスパイス等で「味変」も楽しめます。

甘醤油の味がとてもよく合い、ご飯が進みます。インドネシアの調味料「ケチャプマニス」を使ったテンペ料理も、これに近い味です。照り焼きソースにサンバルを加えると、大人好みのピリ辛になり、テンペにとても合います。

インドネシアで製造された輸入テンペは、酸味や苦みがあって苦手な人もいるため、甘辛い濃い目の味付けにしたり、お酢を使うと食べやすくなります。スイートチリやコチュジャンなどエスニック風のソースを絡めると、とても美味しいです。

―　weeeat！編集部
ご自身でテンペを製造し販売までされている杉山さんですが、どうやって「テンペ」に出会ったのですか？

―　杉山幸さん
自分自身のアトピーや家族の食物アレルギーなど、食に関してハードルのある人生を歩んできました。そこで感じたことは「食に制限がある人にとって、日々の買い物の選択肢があまりに少ない」ということ。私自身は「フレキシタリアン（ゆるべジ）」の生活を送っていましたが、ある日子どもが動物を生き物として認識するようになり、「ヴィーガン」の生活を選択（現在はプラントベースに切り替える）。買い物に困る日々が始まりました。

当時、肉魚の代わりに豆腐を多用していたのですが、海外の豆腐とは違って日本の豆腐は硬さの選択肢が少なく、肉魚の代替品としては「食べ応え」という点で物足りなかった。他に良い食材はないか探していたところ「テンペ」に出会いました。食べ応え、食べやすさ、料理の幅の広さに感銘を受けましたが、近隣スーパーには売っていなかったので、「ならば自分で作ろう」と。同じように食材に困っている人たちのために、テンペをもっと知ってほしいという気持ちを抱くようになり、2021年7月にテンペ製造業を開業、8月にオンライン通販サイトをオープンしました。

―　weeeat！編集部
ありがとうございます。「テンペ」の魅力について深く知ることが出来ました。
最後に、「テンペ」を食事に取り入れようと思っている方へメッセージをお願いします！

―　杉山幸さん
テンペはおいしいだけでなく、身体に優しく栄養満点の万能食材です。食事制限のある方も、そうでない方も、毎日の食卓に美味しく取り入れていただきたいと思います。「TEMPEH STUDIO TOKYO」は通信販売の他、都内で開催されているマルシェへの出店や、飲食店とコラボしたイベントなども行っています。テンペを食べたことが無い方は、おいしいテンペ料理を味わいに、ぜひマルシェに遊びに来てください。

SNSではマルシェ出店情報やテンペの調理例などをアップしています。また公式サイトからは、単品やテンペの定期便などもご購入いただけます。ぜひチェックしてみてください！

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