2022/10/19

高品質で環境に優しい野菜を! 最新の植物工場を開発する大和ハウス工業の取り組み

weeeat!編集部
高品質で環境に優しい野菜を! 最新の植物工場を開発する大和ハウス工業の取り組み

無農薬野菜への関心が高まる中、植物を工場で作る「工場栽培野菜」が注目を集めています。大和ハウス工業株式会社は自社が持つ工場施設建築のノウハウと、三協立山株式会社の栽培技術を組み合わせ、植物工場システム「agri-cube ID(アグリキューブ・アイディー)」を共同開発しました。
工場栽培野菜のメリットと、住宅総合メーカーである大和ハウス工業が「植物工場事業を手がけた理由」をagri-cube ID開発担当者さまにお話をお伺いしました。

植物工場とは? 大和ハウス工業が野菜を作る理由

— weeeat!編集部

まずは、植物工場について教えてください。

― 大和ハウス工業 大塚貴雄さん

植物工場では、環境制御された室内でテクノロジーを活用して野菜を作ります。室温、湿度、光源、栄養を管理しながら、少ない人員で大量かつ安定した品質の野菜を生産することができます。品質・生産量をニーズに合わせて調節できるため、フードロスの解消にも繋がります。
また、作業手順を明確化・定量化しデジタル管理されたデータを共有できるため、経験が少ない人でも作業ができるメリットがあります。

— weeeat!編集部

ハウスメーカーである貴社が植物工場を手がけられたのは、どのような経緯からでしょうか?

― 大和ハウス工業 大塚貴雄さん

大和ハウス工業の創業者精神に「儲かるからでなく、世の中の役に立つからやる」という言葉があります。大和ハウス工業は創業時から「建築の工業化」を追求してきました。一方で、社会課題としての「農業分野の人手不足」「自給率の低さ」に注目し、我々のノウハウを活かして「農業の工業化=植物工場」を進めることで新しい価値を生み出していきたいと考えました。

— weeeat!編集部

そうして開発されたのが、植物工場システム「agri-cube ID(アグリキューブ・アイディー)」なのですね。

― 大和ハウス工業 大塚貴雄さん

大和ハウス工業では建築分野での長年の経験と、各地にある拠点を活かし、ワンストップで提供できるサービスを目指しました。施工だけではなく栽培や工場運営までトータルでサポートできないかと模索していたところ、三協立山株式会社さんとの共同開発の話が生まれました。

— weeeat!編集部

三協立山株式会社さんは、野菜の栽培技術・栽培サポートとして開発に携わられたのですね。

― 大和ハウス工業 大塚貴雄さん

三協立山株式会社さんではすでに植物工場を運営管理しており、植物工場のオペレーションノウハウもお持ちでした。大和ハウス工業で工場を施工し、三協立山株式会社さんで運用のサポートを行う。また、工場に導入していただくだけではなく、その野菜の販路を広げるサポートも行っております。こうして、施行から運営や販路の拡大までワンストップでサポートできる植物工場システム「agri-cube ID(アグリキューブ・アイディー)」が完成しました。

工場栽培野菜のメリットと露地栽培野菜との大きな違い

— weeeat!編集部

工場栽培のメリットや、露地栽培の野菜との違いを教えてください。

― 大和ハウス工業 大塚貴雄さん

一番の大きな特徴は、季節や天候に左右されずに安定的な供給ができることです。また地産地消が可能になるので、輸送にかかるエネルギーも削減できます。
露地栽培の野菜は、傷んだ部分を取り除くトリミング、土や虫などの汚れを取り除く洗浄に時間をかけなければなりません。複数回の洗浄とすすぎ・脱水を行ってから袋詰めをするのですが、洗浄を重ねることで野菜に含まれる栄養素が流れてしまいます。
しかし工場栽培野菜の場合、衛生管理の行き届いた環境で栽培する事で付着する汚れや菌が少なく、最低限の洗浄ですぐに袋詰めができ、洗浄にかかるコストやエネルギーが大きく節約できます。また、付着する汚れや菌が少ないので傷みづらく、品種にもよりますが冷蔵庫で平均2週間ほど日持ちします。つまり、フードロスの観点でもメリットがあるため、プロの現場でも支持を得ています。

agri-cube IDで目指す未来

— weeeat!編集部

今後の展開を教えてください。

― 大和ハウス工業 大塚貴雄さん

昨今は農業の担い手不足や、気候変動による農作物の供給不安などの課題が多くあります。解決策の一つとして、工場栽培野菜をより多くの方に知っていただき、広めていきたいと考えています。
また、現在主に生産されているのは、フリルレタスなど葉物野菜がメインですが、バジルやパクチーなどの香草を生産することもできます。それぞれの野菜に合わせて水質や温度管理など、研究を続けていかなければならない部分もありますが、ニーズに合わせて生産できる野菜の種類を増やして可能性を広げていきたいですね。

— weeeat!編集部

ありがとうございます。工場栽培野菜の魅力について深く知ることが出来ました!

安心安全な工場栽培野菜が食べられるお店

agri-cube ID(アグリキューブ・アイディー)」で栽培された野菜を楽しめるお店をご紹介します。

”和のおいしさを輪に”をコンセプトの「 SalaSpa サラダパスタ専門店」は日本初のサラダパスタの専門店です。たっぷり野菜と日本の美味しい食材を、もちもちパスタと一緒にいただく事が出来ます。工場野菜のレタスがたっぷり使われているおすすめメニューをご紹介します。

□岩手県産“岩中豚”和風豚しゃぶサラスパ

SalaSpa名物のサラダパスタである「和風豚しゃぶサラスパ」は、色とりどりのたっぷり野菜の上に、深い旨味とコクが特徴の岩中豚のスライスをさっとゆでて添えられています。岩中豚のジューシーな甘みと、シンプルな和風ドレッシングとの抜群のバランスで、野菜とパスタを引き立てます。

□【激辛】"紅の極み"岩中豚しゃぶと千葉県産青唐辛子のサラスパ

たっぷり野菜に、甘く柔らかい岩中豚のスライスをのせて、自家製和風ソースと一味唐辛子を合わせて作られたオリジナルソースをかけていただきます。千葉県産の青唐辛子のさわやかな辛みと、一味唐辛子のダイレクトな辛みを楽しめます。

□工場栽培野菜を採用された思い

SalaSpa』運営会社 XeroJapan株式会社 代表取締役CEO 青山社長様

良質な露地レタスを確保するのに苦慮していたところ、食品関連の展示会で大和ハウス工業の植物工場担当者と出会い、同社のagri-cube IDで生産されたレタスのサンプル評価を行いました。露地レタスは時期により傷みが多かったりサイズも小さくなったりと品質のバラつきや価格変動が課題でしたが、agri-cubeIDのレタスは露地レタスの良い時期の品質・食味と遜色無く、鮮度品質・サイズ・価格が安定しており採用に至りました。※注1
agri-cubeIDのレタスを使用していて改めて感じるのは、露地レタスと比べ日持ちがする事と異物混入の心配が無いので大変扱いやすいです。サラダメニューにとってレタスはベースとなる食材となりますので、高品質なagri-cubeIDのレタスを活用し、より多くのお客様へ提供出来る展開を今後も企画して参りたいと考えております。

※注1agri-cubeID導入先の(株)ベジタブルテック様(茨城県那珂市)より供給頂いております。


□店舗情報

SalaSpa サラダパスタ専門店』

105-0014 東京都港区芝2-16-10 芝パークアベニュー 1F
営業時間 【平日】  10:00-21:00(L.O20:00)
     【土日祝】 10:00-17:00(L.O16:30)※日曜営業
定休日   年末年始

食べログ:https://tabelog.com/tokyo/A1314/A131401/13256166/
Instagram:https://www.instagram.com/salaspa_japan/

□大和ハウス工業株式会社×三協立山株式会社

weeeat!編集部
weeeat!編集部は、私たちの大切な「食」を中心に、人と地球にやさしい情報を発信していきます。 “地球にやさしい取り組み”を共感・実践する仲間とともに、サステナブルな社会と文化を目指します。

あわせて読みたい記事

    Share

    Topへ