【とにかく漬ける山崎】らっきょうを自宅で漬けてみた#2 ~発酵食「塩らっきょう」の漬け方! 塩漬けと塩水漬けの違いも~
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『weeeat!』編集部のレシピ開発担当、栄養士で発酵マイスターの山崎が、とにかく何かを漬けてみるシリーズ。第1弾では「塩らっきょう」に挑戦しました。今回は実際に塩らっきょうの漬け方・ポイントを写真とともにご紹介。塩漬けと塩水漬けの2種類のレシピを比較しています。途中ハプニングに見舞われながらも、1か月間観察してみました。
こんにちは。 『weeeat!』編集部の山崎です。前回はらっきょうそのものについて深ぼりましたが、ここでいよいよ塩らっきょうを漬けていきたいと思います。
山あり谷ありのらっきょうDaysを臨場感たっぷりに、初めての方でもわかりやすくお届けします。是非、参考にしてみてください。
「塩らっきょう」の作り方
① 材料と瓶の準備
泥付きらっきょうと自然塩を用意します。全体に丸みを帯び、芽が出すぎていないものを選んでください。保存瓶は雑菌を殺菌するため煮沸してから使用します。アルコールで拭く方法でもOKです。
② らっきょうを洗う
泥や汚れた薄皮を取り除き、つながっているものを手でほぐしたら、こすりながらよく洗います。洗う際のポイントは、手早く作業することです。水に長くつけているとカリカリ感が損なわれてしまいます。量があると、結構骨の折れる作業です。
③ 下処理をする
根と芽を包丁で切り落とします。切る際のポイントは、ひげ根だけを切り落とすようにすること。根元を深く切り過ぎると、水が入って歯ごたえが悪くなってしまいます。
④ 漬ける
らっきょう1㎏を下処理すると、正味約800gとなります。今回は、「塩漬け」と「塩水漬け」の2種類のレシピを試すため、それぞれ400gずつ漬けることにしました。
A 塩漬け
【材料】
らっきょう400g、塩40g
【作り方】
らっきょうの水分を取り乾かします。水気が残っているとカビが発生することがあるため、表面が乾くまで置きます。(約1時間)
ボウルにらっきょうを入れて塩をまぶし、保存瓶に入れて漬けます。時々ゆすりながら様子をみます。
B 塩水漬け
【材料】
らっきょう400g 、塩40g 、水350ml、赤唐辛子や昆布があれば
【作り方】
ボウルに塩水を作り、保存瓶にらっきょうと塩水を入れて漬けます。時々ゆすりながら様子を見ます。
1ヶ月間、変化を観察してみた
<初日>
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初日です。どちらも白くて、ピカピカしていてキレイ。
<2日目>
塩漬け:周りの塩が溶けてきましたが、まだ少し塩粒が残っている。
塩水漬け:振ってみると、炭酸ガスらしき泡が2~3粒上がっている。
<3日目>
塩漬け:塩の溶けムラがあったので、瓶を振ってなじませた。
塩水漬け:軽く振ると炭酸ガスがポコッと出た。乳酸菌が生きている感じがして可愛い。
<4日目>
塩漬け:完全に塩が溶けたようだ。
塩水漬け:水が白く濁ってきた。断続的にポコポコと泡が出ている。
<5日目>
塩漬け:ガス抜きするため、開けてみるとプシュッと音がした。
塩水漬け:こちらもガスが抜ける音を期待して開けてみたが、全く音がしなかった。
<6日目>
ここでハプニング発生! 夜に帰宅すると家中にらっきょう臭が……。ここまで育てたらっきょうちゃんが腐ってしまったのか?? 恐る恐る近くで嗅いでみましたが、腐っているような嫌なにおいはせず、乳酸発酵であろう酸っぱいにおいがしました。
まだ乳酸菌は生きているのだ! と信じて換気をしてそのまま就寝しましたが、部屋に溢れる香りが気になって、全然眠れない。キッチンには置けないので、お風呂場へ移動しました。
<7日目>
相変わらずの香り。風呂場がらっきょうの香りでいっぱい。家族から対策を求められ、ニ重のレジ袋に保管してみましたがそれでも漂うらっきょうの香り。
<10日目以降>
ネットで「らっきょう 部屋 におい」と検索すると、においの原因は発酵した際に出る炭酸ガスだと判明。私と同じように、助けを求めている人達がいることを知るとともに、失敗ではないようで安心しました(笑)。
におい対策として、ビニールにおむつ用の消臭袋を被せたところ、効き目がありました。
そして1ヶ月間、時々様子を見ながら室温で保管しました。
ついに完成! 塩らっきょうを試食してみた
1ヶ月ほどしたら、ついに完成!
ただ、このまま食べるとしょっぱいので、塩抜きをします。薄い塩水(水カップ3に塩小さじ1/3を加えたもの)に5~6時間ほど漬けて好みの加減に。らっきょうの塩分で、塩水が濃くなるので、途中塩水を3~4回換えます。
さて、お味はいかがでしょうか。ドキドキしながら一口。
美味しい! カリカリとした歯触りが良く、ほんのり塩味がありつつ、乳酸発酵のうま味があるので、味に深みが出ています。
「塩漬け」と「塩水漬け」を食べ比べてみましたが、味も食感も変わりません。見た目が少しだけ違い、塩漬けの方が乾燥していて黄色っぽい色をしていました。