「玉ねぎ麹」でコンソメ卒業!失敗しない作り方&簡単活用レシピ|3つの発酵方法を試して食べ比べしてみた!

皆さん、こんにちは!『weeeat!』編集部のレシピ開発担当、栄養士で発酵マイスターの山崎です。最近、密かにブームになりつつある調味料、その名も「玉ねぎ麹」。実はコレ、超万能な調味料なんです!
玉ねぎと米麹、塩だけで作れるのに、うま味が爆発! どんな料理にも使えるから、手放せなくなっちゃいます。
今回は、そんな魔法の調味料「玉ねぎ麹」の作り方を3パターンご紹介します。「常温発酵」「ヨーグルトメーカー」「炊飯器」それぞれの出来上がりの違いを食べ比べしてみました。
味の違いは? 香りは? 食感は? 気になる結果はいかに?! 乞うご期待♡
さらに、玉ねぎ麹を使った簡単レシピもご紹介します。玉ねぎ麹の魅力を余すことなくお伝えするので、最後までお見逃しなく!
コンソメの代わりになる万能調味料
『weeeat』では、これまでもたくさんの発酵調味料を紹介してきました! 発酵調味料の中でも特に使い勝手の良いのが、この「玉ねぎ麹」なんです。
玉ねぎ麹は、よく「コンソメの代わり」とか「万能調味料」って言われるんですが、まさにその通り! 玉ねぎと米麹を発酵させることで、ギュッと旨みが凝縮された、まるで洋風スープの素みたいな香りとうま味が生まれます。
まずはペロッと一口舐めてみると美味しさが分かりますよ。玉ねぎの旨みがギュッと濃縮されていて、「玉ねぎを濃縮したタレ」って感じ。麹の発酵の力で、玉ねぎの甘みと麹の旨味が合わさり、料理に深いコクと風味を生み出します。しかも、サラダやスープや炒め物など、色々な料理に使えるのも魅力です。
私はよく、味付けを玉ねぎ麹だけで済ませちゃいます。これだけで玉ねぎの風味と甘味に加えて、塩味とうま味がプラスされるので、もう市販のコンソメは卒業しちゃいました。
玉ねぎ麹にはメリットがたくさん!
使い方は簡単! あんまり難しく考えなくて大丈夫◎
加熱せずに、そのままでも食べられます。例えば、玉ねぎ麹にお酢やオイルをプラスしたら、簡単にドレッシングが完成。生のトマトや焼いた野菜にサッと和えるだけ美味しいんです。
また、お肉料理のハンバーグやから揚げに使えば、酵素の力でお肉が柔らかくなり、うま味がアップします。
ご飯の味付けや、スープ、炒め物に加えれば、風味が増して奥深い味わいに。和洋中、どんな料理にも相性バツグンでレパートリーは無限大。いつもの料理にコクと香りが加わって、グッとレベルアップしますよ。
料理の度に玉ねぎのみじん切りをしなくていい!
また、一度にたくさん作っておけば料理をする度に玉ねぎのみじん切りをしなくて良くなります。これが地味にうれしい。
玉ねぎのみじん切りって、地味に面倒くさくないですか? 涙も出るし。
でも、玉ねぎ麹はフードプロセッサーで作れるし、作っておけば毎回のみじん切りが不要に。料理の時短も叶っちゃうんです!
栄養面でもバッチリです。
麹自体の食物繊維や、発酵の過程で生じるブドウ糖やビタミンなどの栄養素が体の内側から整えてくれます。腸内環境や美肌にも効果的! 体の中からキレイになれるなんてうれしいですよね♪
今回は、そんな玉ねぎ麹を3つの発酵方法で作って食べ比べてみます!
材料は3つだけ!とっても簡単
さてさて、みなさん玉ねぎ麹を使いたくなったところで、ここからは基本の玉ねぎ麹の作り方をご紹介します。
作り方
【材料】
玉ねぎ:400g(約2個分)
塩:50g
米麹:140g
①玉ねぎを大きめに切って、フードプロセッサーにかけます。
②麹はほぐして、塩と合わせます。
③1と2をよく混ぜ合わせます。
発酵方法は「常温発酵」「ヨーグルトメーカー」「炊飯器」の3パターン
ここから、発酵させていきます。「常温発酵」「ヨーグルトメーカー」「炊飯器」の3パターンをそれぞれ詳しく説明しますね。
常温発酵の場合
・蓋がついていて密閉できる容器をアルコールで消毒します。その中に3を入れて蓋をします。
・1日1回、清潔なスプーンなどで混ぜてください。夏場は4~5日、冬場は10日程度発酵させたら完成です。
・できあがったら冷蔵庫で保存します。
ヨーグルトメーカーの場合
・ヨーグルトメーカーなどの発酵メーカーの容器をアルコールで消毒します。その中に3を入れて、50~60℃で約8時間温めます(55℃がベストです)。時々かき混ぜてください。
・麹が柔らかくなっているかどうかが、出来上がりの目安です。
・できあがったら冷蔵庫で保存します。
炊飯器の場合
・耐熱の保存袋(ジップロックなど)を用意します。炊飯器の内釜に乾いたタオルを敷きます。
・保存袋に3を入れます。
炊飯器のタオルの上に保存袋を置きます。その上にもう一枚タオルを乗せます。
・炊飯器を「保温」に設定し、養生テープなどで蓋を固定。炊飯器の蓋を開けた状態で5時間~10時間程度温めます。
・時々袋を揉んでください。好みの味になったら出来上がり。
・できあがったら冷蔵庫で保存します。
出来上がった玉ねぎ麹はハンドブレンダー等でなめらかにすると使いやすいです。
1ヶ月を目安に使い切りましょう!
▼詳しい栄養価などはこちら
失敗しない!基本の玉ねぎ麹
材料と保存方法について
今回の麹は生麹を使用していますが、乾燥麹でも大丈夫です。
塩は、どんな塩でもOK。粗塩はうま味のある塩がまろやかな味になり、おすすめです。
今回のレシピは、塩の割合が少ない(塩分濃度9%)ので、米麹のうま味が強く酵素の分解力が高い仕上がりです。1ヶ月を目安に使い切りましょう。
保存の際は必ず、密閉容器で冷蔵保存しましょう。冷蔵庫でもゆっくりと熟成されていくので、作ってすぐより段々と角が取れてまろやかになっていきますよ。
玉ねぎ麹作りで失敗しないポイント
玉ねぎ麹造りって工程はシンプルですが、発酵をさせるため、「うまく発酵しない」「腐敗してしまう」といった失敗が考えられます。そうならないように、こちらの2つのポイントは必ず守ってください。
・しっかりと消毒した容器で作る。
・塩と麹の量を守る(アバウトにすると発酵に失敗してしまいます)。
また、常温発酵の場合は、こちらの3つのポイントも守ってください。
・直射日光の当たらないところで保存する。
・冷暖房の当たらないところで保存する。
・1日1回かき混ぜる。
また、どの方法で作っても、玉ねぎ麹を発酵・熟成させる過程で、ピンク色やベージュになることがあります。これは糖とアミノ酸が反応して褐色に変化する「メイラード反応」によるものです。失敗ではなく、美味しくなっている証なので、安心してくださいね。
3パターンの味を食べ比べてみた!
出来上がった「常温発酵」「ヨーグルトメーカー」「炊飯器」それぞれの玉ねぎ麹を食べ比べしてみました。
常温発酵の場合
色は、ほのかなピンク色に仕上がっています。玉ねぎの辛み・香りと塩の塩味が立っていて、米麹のつぶつぶ感が残っています。3つの中で一番フレッシュな味ですね。
生の玉ねぎらしい風味を前面に出したい場合は、常温発酵をするのが良さそうです。コンソメ代わり以外にも、薬味的な使い方もできそうな味です。
ヨーグルトメーカーの場合
色がピンクと緑色の混じった感じです。玉ねぎがトロっとした食感で、甘味がグッと引き出されています。玉ねぎと塩と麹の全体がよく馴染んでいて、3つの中で一番コクを感じます。
ヨーグルトメーカーの場合、全体がムラなく十分に発酵するので、このような仕上がりになったようです
炊飯器の場合
発酵している時は、外側の熱が入りやすいところは緑色に、内側は白くなっていました。混ぜると色はほのかな緑色に。玉ねぎのシャキシャキ感が残って、フレッシュな印象。しっかり麹のコクが引き出されています。
今回は夜通し発酵させて、途中混ぜられなかったため、多少の温度ムラがあったようです。そのため、玉ねぎのフレッシュ感が残ったんだと思います。発酵の途中でよく袋を揉めば、均一に仕上がります。
編集部の中では、ヨーグルトメーカーが一番人気でした。玉ねぎの辛みがとれて甘味とコクが出ていたので、一番コンソメ代わりにしやすそうです。
ただ、それぞれの良さと合う料理がありますので、色々試してみてくださいね!
それでは、玉ねぎ麹を使った簡単で美味しいレシピをご紹介します!
お家ですぐ試せるレシピばかりです。簡単なのに驚くほど美味しいですよ♪
その1|玉ねぎ麹のドレッシング3種~ネギ塩・醤油・フレンチ~
【材料】作りやすい分量
ネギ塩ドレッシング
玉ねぎ麹:大さじ2
穀物酢:大さじ1(レモン汁も◎)
ゴマ油:大さじ1
長ネギ(みじん切り):10㎝程(切った後水にさらす)
醤油ドレッシング
玉ねぎ麹:大さじ1
醤油:大さじ1
穀物酢:大さじ1・1/2
甜菜糖:小さじ1
ゴマ油:大さじ1
フレンチドレッシング
玉ねぎ麹:大さじ2
穀物酢:大さじ1
オリーブ油:大さじ2
コショウ(白):少々
3種類の玉ねぎ麹ドレッシングです。どれも混ぜるだけ簡単。野菜嫌いの子どもも、もりもり食べられちゃう魔法のドレッシング。ここに降臨!
まずは「ネギ塩」。シンプルイズベストな素材の味を引き立てるドレッシングです。
ネギを入れることで、“やみつき感”がアップし、より使い道が豊富になります。ぽってりした固さだから、ニンジンやキュウリなどのスティック野菜にオススメ◎。
続いて、王道の「醤油ベース」。玉ねぎ麹と醤油の風味が絶妙にマッチした、みんな大好きな味。後引く美味しさですよ。淡白なアボカドや豆腐サラダにベストマッチ♡
最後は、おしゃれな「フレンチドレッシング」。葉物野菜に絡みやすいサラッとした濃度にしました。まろやかでクセのない味だから、「基本野菜なら何でも来い!」です(笑)。
おうちレストラン気分を味わいたいなら絶対コレ!
三者三様、どれも美味しすぎて困っちゃう。毎日サラダパーティーしたくなっちゃうレベルです。もう市販のドレッシングには戻れなくなりますよ♪
その2|玉ねぎ麹の爆速わかめスープ
【材料】1人分
玉ねぎ麹:小さじ2
乾燥わかめ:ひとつまみ
いりゴマ(白):適宜
長ネギ(小口切り):適宜
熱湯:150ml
想像をはるかに超える、感動レベルの「わかめスープ」が完成しました。
作り方は……いや、もはや「作り方」と呼ぶのもおこがましいほどのシンプルさ。
玉ねぎ麹に湯を注いだだけ。さすがにシンプル過ぎるので、乾燥わかめとネギとゴマをイン!
忙しい朝でも、小腹が空いた夜でも、このスープがあれば無敵です。インスタントとは比べ物にならない、玉ねぎ麹の滋味深い味わいに、体も心もホッとすること間違いなし。
騙されたと思って一度試してみてください! マジで感動しますよ!
その3|野菜たっぷり玉ねぎ麹のピラフ
【材料】2~3人分
ご飯:2合分(約600g)
玉ねぎ麹:大さじ2~3
オリーブ油:大さじ1
マッシュルーム(スライス):1パック(100g)
ニンジン(粗みじん切り):1/2本分(約100g)
コーン缶:50g(水気を切る)
トマト(小角):小1コ
黒コショウ:少々
パセリ:適宜
皆さん、ピラフ作る時、何使ってますか? コンソメ? 鶏ガラスープの素?
騙されたと思って「玉ねぎ麹」で作ってみてください。いつものピラフをワンランク上に大変身させますよ。(キリッ)
作り方は簡単。フライパンにオリーブ油を敷いて、マッシュルーム・ニンジン・コーンを炒めます。野菜がしんなりしたら、ご飯を投入。玉ねぎ麹を加えて、全体に馴染むように混ぜ合わせたら、仕上げに黒コショウをひと振り。彩りにパセリを散らしたら出来上がり!
玉ねぎ麹の旨味と甘みがご飯粒ひとつひとつに染み渡り、一口食べたら止まらない…♡
また、麹の酵素アミラーゼの力でお米のでんぷんが分解されるので、お米がパラパラに。お店みたいなピラフに仕上がりになりますよ。
その4|かぼちゃと玉ねぎ麹のポタージュ
【材料】2~3人分
かぼちゃ:正味200g
玉ねぎ麹:大さじ2
豆乳:1カップ
水:1カップ
ローリエ:1枚
オリーブ油:大さじ1
パセリ(みじん切り):適宜
みんな大好き、かぼちゃのポタージュ。あのとろ~り濃厚な甘さが幸せな気持ちにさせてくれますよね。
作り方は簡単。味付けは玉ねぎ麹だけです。小鍋に皮と種を取ったかぼちゃ・玉ねぎ麹・水・ローリエを入れて蓋をし、かぼちゃが柔らかくなるまでコトコト煮ます。
ローリエを取り出し、豆乳と一緒にミキサーでなめらかになるまで撹拌します。
再び小鍋に戻して温め、カップに注ぎます。仕上げにオリーブ油とパセリを散らしたら出来上がり!
玉ねぎ麹が、かぼちゃの甘さをグッと引き立て、驚くほど深みのある味わいに仕上がります
また、かぼちゃと麹は相性抜群! かぼちゃには、麹にはないビタミンA・Cがたっぷりだから、栄養の相乗効果にも繋がるんです。
肌トラブルに効くビタミンと豆乳のタンパク質も摂取できるからまさに美肌のスープですね♡
ポタージュは温めても冷やしても美味しいから、一年中楽しめますよ。
いかがでしたか? 今回は玉ねぎ麹の作り方と活用レシピをご紹介しました。
玉ねぎ麹は、手軽に作れて、コンソメ代わりになって、体にもやさしい万能発酵調味料。私のキッチンでは、もう欠かせない存在です。
本当におすすめなので、ぜひ一回作ってみてくださいね!
『weeeat!』では玉ねぎ麹以外にも様々な発酵調味料のレシピをご紹介しています!
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