フードロス

フードロス

日本では、好きな物を自由に選んで食べられることが当たり前で、コンビニやレストランではいつでも新鮮な食事を提供してくれます。
その一方で大きな問題となっているのが「フードロス(=食品ロス)」です。日本における「フードロス」の現状と、環境にも大きな影響を与えているフードロスを減らすために、今私たちにできることは何でしょうか。

フードロスとは?

まだ食べることができる状態なのに、食品が捨てられてしまうことを「フードロス」と言います。食材だけでなく、レストランで残した料理や、廃棄した家庭料理などもフードロスになります。

工場や飲食店などから発生する「事業系フードロス」

「事業系フードロス」は期限内に売れなかったものや、工場で制作途中につぶれてしまったり形が不ぞろいだったりと、商品として売ることができないものがあげられます。最近では形の崩れた商品を「わけあり商品」などとして、安価な値段で提供する企業も増えています。

家庭で料理を作った時に出る「家庭系フードロス」

一方「家庭系フードロス」では賞味期限切れの加工食品や、食べ残しの廃棄が多くを占めます。また料理をするうえで、野菜の皮を厚く剥きすぎたり、鳥の皮を除去したり、本来なら食べる事ができる部分を過剰に除去してしまう「過剰除去」も大きな問題です。

フードロスというと事業系フードロスのイメージが強い方も多いようですが、実は家庭内からも多くのフードロスが出ています。2022年現在、フードロスのうち約46%が家庭系フードロスだと言われています。

廃棄に使われるエネルギー

廃棄された食品は、燃えるごみとして焼却処理されますが、燃やすためにはエネルギー消費が必要です。さらに燃えた後にはCO2が排出されます。フードロスを出す、ということは不要なものを捨てるために貴重な資源を消費し、温室効果ガスを排出してしまうことにつながります。

また日本は、食料の62%を輸入に頼っている現状があります。輸入された食品には、国内産の食品より環境負荷が高いと言われています。遠くから飛行機に乗って運ばれてくるため、その分多くの燃料を使っているからです。

毎日お茶碗1杯分の食品が廃棄に

世界全体で見ると、食品の廃棄量は、年間約13億トン(※1)にものぼります。この量は人間が消費するために作られた食料の1/3にあたる量です。日本でのフードロスは年間612万トン(※2)です。日本人1人あたりで換算すると、毎日お茶碗1杯分の食品を、捨てている状態です。

その一方で、世界では9人に1人が栄養不足に苦しんでいます。今後人口がさらに増えることが予想され、食料不足が心配されています。足りない分の食料を作り出すことではなく「無駄な食料を作らない」「廃棄を出さない」ことも問題解決の糸口につながります。

参考(※1):外務省HP https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/about/index.html
参考(※2): 農林水産省HP  https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2010/spe1_01.html

フードロスをなくすために私たちにできること

事業系フードロスには「売られる前に捨てられてしまう食料の廃棄」があります。
卸業者は「賞味期限」の残りが3分の1になる前に、小売店に販売しなければならないことになっていて、「賞味期限」の残りが3分の1を切ってしまった食品は、食品メーカーに返却されて廃棄されてしまう場合もあります。
現在ではこうした商品を「わけあり」として格安で販売するディスカウントストアや通販サイトなども増えています。こういった購入手段を選ぶことも、フードロスを抑える大事な一歩です。

家庭で食事を作る場合は、買い物や調理を工夫することでフードロスを減らすことができます。
・スーパーなどでは、商品を陳列されている順番に(手前から)とる
・梱包材のへこみなどを見つけても、中身に問題がない場合はそのまま買う
・すぐ食べるものは、賞味期限の近いものを買う
・食べきれる量を考えながら買い物をする(買いすぎない)
・家族の予定にあわせて残らない量を作る
・料理を作りすぎた場合には、リメイクして他の料理として楽しむ
・冷凍保存を活用する

また外食や宴会の場でも、フードロスを減らすためにできることがあります。
・料理の量を選べるお店を選択する
・食べられる分だけ注文する
・食べ残しそうな場合は、持ち帰りも検討する
・宴会では食事を楽しむ時間を設けて、食事が残らないようにする

どれも日常生活の中で少し意識するだけで、変えられることばかりです。

フードロスを減らすための行動は、自分たちの未来の生活を守ることにつながります。まずは目の前の出来ることから、始めてみませんか。

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