「発酵」の基礎知識 #3 ~発酵食品のうれしい4つの効果~

「発酵」の基礎知識 #3 ~発酵食品のうれしい4つの効果~

味噌や納豆、日本酒など昔から私たちの食卓に欠かせない発酵食品。
特に、日本料理「和食」は2013年にユネスコの世界無形文化遺産に登録されるなど、近年日本の発酵食品が注目されています。発酵が日本の食文化とどのように密接に関係しているのか、また発酵にはどんな魅力があるのでしょうか。
今回は発酵食品の4つの効果についてまとめてみました。

①うま味成分で美味しくなる

発酵食品が美味しいと感じるのは、うま味成分であるアミノ酸が生まれるからです。特に麹菌由来の発酵食品は、酵素の力で分解されて甘味やうま味成分を作り出します。また独特な風味や香りである香気成分も生み出しています。例えば、鰹節は発酵することで鰹自体のうま味が増えます。また、お出汁にすることで芳しい香りを放ちます。発酵により、うま味や香気成分が高まることで、より美味しく感じるのです。

鰹節

②発酵食品の「酵素」が消化を助ける

酵素は大きく分けると、人の体内に存在する「体内酵素」と、食べ物に含まれる「食物酵素」があります。体内酵素は、栄養分を分解し消化吸収する働きをしますが、一生のうちに作られる量に限りがあり、日々、体の中で消耗されて減少していきます。
食物酵素は、体外から取り込むことで、主に体内酵素の働きをサポートする働きをします。味噌などの発酵食品には、食物酵素が多く含まれています。酵素の働きで栄養分が分解されることで消化吸収がしやすく、身体への負担を軽減し、体内酵素を温存することにも繋がります。

③食品の保存性を高める

発酵食品は、腐敗の原因となる雑菌の繁殖を防いでくれるため、保存性が高まります。
菌の世界は「椅子取りゲーム」と同じで、最初に増えた菌が有利となります。腐敗菌が先に増えれば腐敗してしまい、発酵に役立つ菌が増えれば腐敗を防ぐことができます。
味噌の場合は、含まれている塩分が他の雑菌を寄せ付けないことで、腐敗菌から守ってくれます。

味噌

④腸内環境を整えてくれる働き

発酵食品に含まれる菌は「菌体」と言い、菌そのものです。菌体を摂取するとお腹の中にいる腸内細菌のエサとなり、腸内環境を整えてくれます。人間の腸の中には腸内細菌がたくさん住んでおり、主に腸のメンテナンスをしてくれます。
腸内細菌には、良い働きをする善玉菌と、悪い働きをする悪玉菌の2種類があります。腸の中に善玉菌が増えるとお腹の調子が良くなります。反対に栄養が偏り善玉菌が減少すると、悪玉菌が増えると腸は荒れてしまいます。
そこで手軽な食事でおすすめなのが味噌汁です。味噌汁には善玉菌の大好物のオリゴ糖と食物繊維が多く含まれるため、食べることで腸内環境が良くなります。同じく菌の一種であるきのこや、発酵食品の納豆を一緒に食べると、より効果的です。

味噌汁

いかがでしたか。今回は、主に「麹菌」を使用した発酵食品についてご紹介しました。日本には、漬け物や納豆、郷土料理など親しみのある発酵食品があります。また世界各国にも様々な発酵食品が作られ、それぞれに特徴や長い歴史があります。
今後も『weeeat!』では、プラントベースフードや発酵食品を使った家庭で手軽にできるレシピを紹介していきます。是非、日々の食卓に発酵食品を取り入れてみてください。

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