地産地消

地産地消

サステナブルな取り組みとして、改めて「地産地消」という概念が見直されています。
社会や地域、そして私たち消費者にどのような影響があるのでしょうか?今回は「地産地消」について見ていきたいと思います。

地産地消とは?

地域で育てた野菜や果物などの食材を、その地域で消費することを「地産地消」といいます。

ある地域では農家さん自らが、気軽に立ち寄れる野菜の直売所を作りました。地元の人々との交流が盛んになることによって、地域の農業が活発になっているそうです。
また獣害の被害を受けた野菜を活かした取り組みもあります。地元の飲食店で新たなメニューの開発などに使ってもらうなどです。地産地消と同時に食品ロスにも取り組んだ素晴らしい例です。

このように地産地消には、たくさんのメリットと可能性があります。具体的に消費者と生産者、双方からのメリットをお伝えします。

地産地消のメリットは?

新鮮な食材が手に入る、消費者側のメリット

まず消費者にとって、収穫したての新鮮な野菜や果物が手に入ります。輸送に必要なコストも掛かってないため、遠い地域でとれた農作物よりも安く購入することができます。
また「生産者の顔が見える」「収穫までの過程がわかる」ことも消費者にとってのメリットではないでしょうか。身近な場所で作られた食材は、より安心して楽しく食べることができるでしょう。

地元独自の野菜や果物などに触れることができる、というのも消費者、特に子どもたちにとっては大変よいことです。それらをつかった地域の伝統的な調理方法や郷土料理に触れることは地元愛、食育にもつながります。子どもたちが自分のふるさとを愛することができるような環境を整える第一歩となるのです。

フードロスにつながる、生産者側のメリット

収穫したての野菜や果物を、輸送コストをかけず新鮮な状態で消費者に届けることができる地産地消は、農家のみなさんにとっても大きなメリットです。
また、収穫した野菜や果物のロスが少なくなる、という点も挙げられます。輸送する場合、1つの箱になるべく多く詰めることが優先されています。農家の方は箱詰めしやすいよう、野菜を同じ大きさ、同じカタチになるように育て、形のよいものだけ選んで出荷しています。しかし不揃いな野菜は一定多数発生してしまい、販売する場所がなければ捨てられてしまいます。このような不揃いの野菜も、収穫場所の近くの八百屋や直売所などであれば販売することが可能です。
また消費者の意見を直接聞くことができたり、自分たちが丹精込めて作っていることを知ってもらうことでファンができたりというメリットもあるでしょう。消費者の存在を直接感じることができるというのは、農家の方にとっては貴重な機会です。

地産地消が与える環境への繋がり

農産業も環境保護に密接なかかわりを持っています。
例えば「食品の輸送」にも車や船、飛行機などを動かす燃料が必要です。燃料を使うとCO2を排出します。地域で収穫された食材を近隣で消費する地産地消は「食品の輸送」を減らし環境負荷を少なくすることにつながるのです。
地元でとれた食材を積極的に使うことは、手軽にできる環境へ配慮した取り組みだと言えるでしょう。

明日から始められる身近な取り組み

地産地消は「買い物をする時に産地を確認する」ことからとても簡単に始められます。
最近では「地産地消のコーナー」「地域食材の直売コーナー」といった、生産者の方の顔や詳細な生産地を表示できる食材コーナーを設けているスーパーもあります。休日には少し足を伸ばして、近隣の道の駅や直売所などに行ってみるのもよいでしょう。

食材だけではなく、レストランやテイクアウト料理の、原材料に注目してみるのも良いでしょう。地産地消に取り組む飲食店も増えています。視線を変えるだけで、今まで気づかなかった地産地消が見えてくるかもしれません。買い物の際に少し気を付けるだけで、環境への負荷を減らす取り組みに貢献することができます。一人ひとりが小さな取り組みを続けることが、やがて大きな未来の変化へとつながっていきます。

地産地消には大きな可能性があります。あなたも今日の食卓から地産地消を取り入れてみませんか。

関連するコラム記事

Share

あわせて読みたい記事

    Topへ