プラントベースフード

プラントベースフード

世界的に注目され、ここ最近日本でも話題となっている「プラントベースフード」。
プラントベースフードとは何か?なぜ注目されているか?その考え方やメリット、ヴィーガンやベジタリアンとの違いなどをご紹介します。

プラントベースフードとは?

「プラントベースフード」は一般的に「動物性の原料を使用せず、植物由来(プラントベース)の原料で作った食べ物や食事法」のことを言います。

具体的には野菜、果物、豆類などのナッツ、穀物、キノコ類、海藻、種実などの素材や、豆腐や大豆ミート、油などの加工品のことを指します。また、それらを使って作られた料理のことも「プラントベースフード」と呼んでいます。この考え方をベースに、肉中心から、野菜中心の食事とすることで、健康や環境への配慮を意識していく食スタイルそのものも「プラントベースフード」と言います。

食のスタイルを変えることで、自身の健康を改善することができ、さらに地球環境の保護に寄与できる、という考え方に賛同し、生活に取り入れる人が増えています。

ヴィーガン、ベジタリアンとの違いは?

プラントベースフードと、代表的な菜食方法のヴィーガン、ベジタリアンを比べてみましょう。

ベジタリアンは、「菜食主義」のことを指します。肉、魚を食べずに、野菜、きのこ、豆や穀物など植物性の食品を中心に食べる食事法のことです。

ヴィーガンは、「完全菜食主義」のことを指します。肉・魚を食べないだけでなく、卵や乳製品、ハチミツ・ワインなど、あらゆる動物性食品も対象です。
また食事以外でも動物由来のものを使わない、ということを徹底していて、環境保護や動物愛護を目的にヴィーガンを選択する方が多いのも特徴です。

一方でプランドベースフードは「動物由来の食品を採らない」ことは目的にしていません。あくまで健康志向や環境保護を主な目的として「植物由来の食事を中心にする」ことがプラントベースフードなので、誰でも気軽に生活に取り入れやすいです。

なぜプラントベースフードが注目されているの?

サステナブルな食として注目

プラントベースフードは、健康に良いだけでなく、環境問題の解決に繋がるサステナブルな食として注目されています。

①CO2排出量が動物性に比べ半分に
どのような食物も、生産をする時には必ずCO2(二酸化炭素)が出ますが、植物性の食品は動物性の食品をつくるのに比べて、CO2の排出量は49%、約半分で済みます。
特に肉類を生産するときの温室効果ガス(※1)の排出量は多いと言われて、牛は草などのえさを反芻するときにCO2の20倍の温室効果をもつメタンガスを排出しています。また、えさを飛行機や船で輸送するときのCO2排出量も問題になっています。
(※1)温室効果ガスとは:大気圏にあり、地表から放射された赤外線の一部を吸収することで、温室効果をもたらし地球温暖化の原因となる気体のこと。

②1kgの牛肉に2万kg水が必要
家畜が肉として出荷されるまでにはたくさんの水が使用されており、1kgの牛肉を作るには2万kgの水が必要というデータもあります。牛の飲料水や小屋の清掃に使う他、餌である植物を育てるための水も大量に使われているのです。

③植物性は半分のエネルギーで生産可能に
肉を生産するには、えさになる植物を育て、畜産するという二段階の生産活動が必要になります。労力、生産場所の確保、消費するエネルギー、それらが2倍以上かかる動物性の食物を生産するよりも、植物由来の食物の活用を考えていった方が効率よく食糧を確保することができます。また出荷の周期も畜産と比べて農業の方が短期間であることが多いため、プラントベースフードなら、より短い期間で沢山の食料を確保できます。

このように、動物性の肉よりもプラントベースフードの方が、生産における環境負荷が少ないということになります。

ヘルシーな食として注目

環境問題だけでなく、健康へ及ぼす影響もプラントベースフードが注目される理由の一つです。従来プラントベースフードは、一種のダイエット食、健康食として取り入れられていました。毎食健康的な食事をとることは、忙しい現代人にとって簡単なことではありません。食事のメインを肉や魚とした場合、野菜が不足がちになるのは仕方のないこと。しかし、たとえばメインの肉を大豆ミートに変えるだけでも野菜の摂取量を増やすことができます。
人生100年時代と言われている現代において、「心身ともに健康でいる」ことが重要だという考え方は定着しつつあります。人生を長い目で見て、今から野菜中心の食生活を改善していくことは、数十年後の健康に大きな影響を及ぼすでしょう。

植物性代替食品とは?

植物性代替食品とは、肉や魚や乳製品に似た食感や味を植物由来の食物で再現したもののことですが、古くから日本には植物性代替食品が存在しています。がんもどきや豆乳などは代表的な例です。

最近注目されている有名な代替食品に「大豆ミート」があります。大豆ミートとは、大豆の油分を絞って加熱し、圧力をかけて潰してから乾燥させて作った、フェイクミートです。いまや大手の飲食店のメニューやコンビニ、スーパーのお惣菜にも使われるようになり、手軽に入手できるようになりました。

まとめ

このように「野菜だけを摂る」という考え方に固執することなく、植物由来の食物でどのように食事や料理を楽しめるのか。プラントベースフードを中心とした生活は、「我慢」ではなく「工夫と発見」に満ちた新しい生活スタイルなのです。
いつもより少し野菜を多く取り入れて、いつもより少し動物性を少なくする。まずはそんな気軽な気持ちで始めてみてはいかがでしょうか。

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