南インドの豆カレーを作ってみたら、簡単で美味すぎた!【スパイスのプロ直伝】
皆さんは、スパイスカレーを作ったことがありますか?
「どんなスパイスを作ったら良いの?」「どれくらい使ったら良いの?」と、なんとなく難しいイメージがあると思います。そこで、今回は前回のインタビューに引き続き、朝岡スパイスの乾野さん・渡部さんにスパイスカレーの作り方を教えていただき、その後試食会をしました。
朝岡スパイスは、創業以来、“スパイスの素晴らしさを日本の食卓に"をモットーに世界中から選び抜かれた本物のスパイスだけをお客様にお届けしていています。そんなスパイスのプロから聞いた美味しくするコツやポイントをたっぷりご紹介します。
▼朝岡スパイスのインタビュー記事はこちらから
スパイスのプロに聞く【前編】|まず知っておきたいスパイスの基本と"3つの役割"
スパイスのプロに聞く【後編】|知っておきたいスパイスの賞味期限と正しい保存方法
南インドの豆カレーにチャレンジ!
―weeeat!編集部
今日はよろしくお願いします。スパイスカレーって難しいイメージがあるので、美味しくするコツやポイントを色々教えてください。同じような読者さんも多いと思うので、スパイスカレー作りの楽しさが伝わるといいなと思います。
今日のカレーは、南インドのダールカレーですね!
―乾野さん・渡部さん
よろしくお願いいたします。「ダール」というのは豆のことです。今回はムング豆を使いますが、レンズ豆やひよこ豆などもを使うこともありますよ。意外と簡単なので、楽しみながら一緒にやりましょう!
まずはメニューを確認しましょうか。
ムング豆は茹でた方がなじむ
―weeeat!編集部
早速始めていきます。最初は、ムング豆の下処理から。皮つきと皮なしがありますが、どちらが良いのでしょうか?
―乾野さん・渡部さん
皮なしの方を選んでください!
―weeeat!編集部
先程、水に1時間浸して、水気を切るところまではやりました。ムング豆は、茹でた方が良いでしょうか?
―渡部さん
ムング豆なら煮る時間が短いので、そのまま使っても大丈夫ですよ! でも、もし時間があれば茹でた方が柔らかくなじむので良いです。蓋はせずに、豆が踊るくらいまで、コトコト煮てください。だいたい30分くらいですかね。
ターメリックで豆の臭みを抑える
―weeeat!編集部
では、茹でます! ターメリックも混ぜて茹でるんですね。これは色づけのためですか?
―乾野さん
色づけに加えて、豆の臭みを抑えたり、腐敗防止のために使用します。
インドでは、豆にターメリックを混ぜるのが一般的なんですよ。
―weeeat!編集部
ターメリックの役割は、色づけだけじゃないんですね! 確かに豆は早く腐ってしまう印象があります。ターメリックで抑えられるんですね。
テンパリングは「身体で感じる」
―渡部さん
そうなんです! では、豆を茹でている間に、ホールスパイスをテンパリングしましょう。
―weeeat!編集部
「テンパリング」は、ホールスパイスの香りを油に移す作業ですね。今回米油を使う予定ですが、どの油でも問題ないですか?
―渡部さん
香りがない油なら、どの油でも大丈夫ですよ。
―weeeat!編集部
今回シナモンスティックを入れてみたいのですが、どうでしょうか?
―渡部さん
シナモンスティック良いですね。スパイスは色々入れた方が角が取れて良いですよ。
―weeeat!編集部
では入れてみます! スパイスを入れる順番を教えてください。
―渡部さん
シナモン→ブランマスタード→クミンの順に入れましょう。
基本的に、固くて香りが出にくいスパイスから入れていきます。クミンは小さくて焦げやすいので最後に入れます。テンパリングをする時は弱火にしてください。
それでは、たっぷり油をいれて、スパイスを加えてみましょう!
―weeeat!編集部
テンパリングの時間の目安はありますか?
―渡部さん
ブラウンマスタードはパチパチするまで待ちましょう。シナモン・クミンは気泡が出るまでを目安にしてください。
―乾野さん
普段セミナーをやっていても、「どれくらいの時間やったら良いか?」と聞かれることが多いのですが、「時間ではなく身体で感じる」と答えています。五感を使ってスパイスを楽しんでください。
―weeeat!編集部
スパイスは香りを楽しむものですもんね。
あー! 早速、すごく良い香りがしてきた!
結構パチパチはじけてる! はねて危ない場合は、油はね防止ネットをかぶせても良いかもしれないですね。
―渡部さん
良い香り! 良い感じです。そうしたら、みじん切りにしたニンニク・ショウガをいれましょう。
炒めタマネギの甘みと香り
―weeeat!編集部
その次は、朝岡スパイスさんの「炒め玉葱」ですね。美味しそう! オニオングラタンスープのような香ばしい香りがしますね。
―乾野さん
北海道産のタマネギを使用し、タマネギ本来の甘味・旨味を油だけで引き出しています。一瓶に約4個分が凝縮。7時間、じっくりと炒めたものです。甘みがあるので砂糖はいりません。
―weeeat!編集部
すごい! 生タマネギを使うよりも簡単だし、時短にもなりますね。しかも一気に本格的な味になりそう! 一口食べてみても良いですか?
―乾野さん
ぜひ食べてみてください!
―weeeat!編集部
すっごく甘い! 美味しいです。これがあれば、オニオングラタンスープも簡単にできますね。
―乾野さん
本当におすすめですよ。もし生タマネギを使う場合は、ニンニク・ショウガよりも前に入れて炒めてください。次に、カットトマトを入れてください。ホールトマトでも大丈夫ですよ。
スパイスは具材の上に乗せる
―weeeat!編集部
もうすでに良い香り。次は、パウダースパイスの出番! 入れる順番を教えてください。
―渡部さん
パウダースパイスは、事前に混ぜてから使いますよ。別々で入れるとなじみません。焦げやすいので、入れる時は鍋につかないように具材の上に乗せてくださいね。
―weeeat!編集部
おー! 一気にスパイスカレーの香り。お腹がすいてきます(笑)。
―乾野さん
これでカレーペーストの出来上がりです。とっても簡単でしょ?
次に、最初に茹でたムング豆を汁ごと入れましょう。そのまま20~30分煮込みます。
―weeeat!編集部
最後に塩で味を調えたら完成ですね。思っていたよりも簡単!
―乾野さん
今回はムング豆を入れましたが、お肉や海鮮を入れたらキーマカレーやシーフードカレーになります。カレーペーストだけ作っておけば、色々なアレンジがすぐに楽しめますよ。冷凍保存ができるので、とっても便利なんです。
―weeeat!編集部
そろそろ出来上がったかな。よし、完成! では、皆さんで試食をしましょう。
アチャールやパパドでインド気分
―weeeat!編集部
盛り付けも本格的! とっても美味しそうに出来上がりました。では早速いただきましょうか。
―乾野さん
インドではアチャールという漬物や、パパドというクラッカーと一緒に食べます。また今回はサンバルというスープも作りました。ご飯はインドのバスマティライスです。香りが良く、細長くてパラッとしています。これがカレーに合うんですよね。
これらを全部ごちゃ混ぜにして食べると美味しいですよ。パパドはパリパリっと割って食べます。
―weeeat!編集部
では、ごちゃ混ぜにしていただきます。
お……、美味しい! 香りも良いし、感動する美味さ。
―乾野さん
香りは、カルダモン入れているからですかね。
ちなみにインドでは、カルダモンは高級スパイスなので、おもてなしの時に使うんですよ。だから、お客さんが来た時に、カルダモンのさやを飾って提供したりするらしいですよ(笑)。
―weeeat!編集部
そうなんですね。面白い!
アチャールも全部美味しい。今回は3種類作ってみましたが、色々あって楽しいですね。
―乾野さん
アチャールも混ぜて食べると味変を楽しめますよね。
―weeeat!編集部
そしてバスマティライスとの相性抜群! 全部美味しすぎて、ご飯が足りない(笑)。
―乾野さん
うん。こんなに食べても胃にもたれない! ペロリといけちゃいますね。
―weeeat!編集部
スパイスと野菜だけで作ってますもんね。添加物もない。健康的なプラントベースフードですね。
ぜひ読者の皆さんにも作ってほしいです。
実は簡単なスパイスカレー
―weeeat!編集部
今日実際に作ってみて、スパイスカレーのハードルが一気に下がりました! すごく簡単にできるし、これなら自分でも作れそう。早速スパイスを買って週末に作ってみようと思います。
―渡部さん
作ってみるととっても簡単なんですよね! 色々なスパイスを買って、自分だけのブレンドを見つけると楽しいですよ。スパイスの使い方は、人それぞれで間違いはないので、ぜひ挑戦してみてください。
―weeeat!編集部
はい。自分だけのオリジナルカレーを作ってみます! 今日はありがとうございました。
いかがでしたか? 今回はスパイスのプロ、朝岡スパイスさんにスパイスカレーの作り方を教わりました。難しいと思っていたスパイスカレーは実は簡単に作れるんですね。皆さんもぜひ自宅でトライしてみてください! 今回のカレーのレシピはこちらに掲載しています。
また、来月12月6日(金)に朝岡スパイスが「南インドのミールスでスパイスを楽しむセミナー」をweeeat!studioで開催します。ぜひこちらもチェックしてください。