豆苗を育ててみたらジャングルになった!豆苗の育て方のコツ&簡単レシピ【とにかく捨てない山崎】
weeeat!編集部のレシピ開発担当、栄養士で発酵マイスターの山崎の「とにかく捨てない」シリーズ。第4弾では、豆苗の再生栽培にチャレンジしてみました! このレポートでは、豆苗初心者の私が実際に育ててみた奮闘記と、豆苗の歴史や栄養、育て方のコツ、さらには簡単でおいしいアレンジレシピまで、まるっとご紹介します。
スーパーで何度もスルーしていたそこのあなた、一緒に豆苗沼にハマりませんか?
豆苗を育てて、楽しく食費節約&彩り豊かな食卓の一石二鳥しちゃいましょう!
家計の救世主! 手頃で栄養たっぷりな豆苗
こんにちは。weeeat!編集部の山崎です。スーパーで野菜の値段を見るとびっくりするくらい高くて、買い物カゴに入れることを少々躊躇してしまう今日この頃。
家族に栄養バランスの整った食事をお腹いっぱい食べてもらいたい。でも食費が……。山崎家のエンゲル係数が大変なことになっちゃう。
そんな時におすすめなのは、豆苗! 値段もお手頃だし、年間通して価格が安定している優秀な野菜なんです。
そして更に豆苗の素晴らしいところは、育てて2〜3回食べられちゃうこと。1回食べただけで捨てちゃうなんて、もったいない!
というわけで今回は、豆苗の育て方と活用レシピについてご紹介します。
合言葉は「もったいないを美味しくする」です!
豆苗とサヤエンドウとスナップエンドウは一緒の植物
育てる前に、まずは豆苗について調べてみることにしました。
豆苗は、「エンドウ豆」の若菜のこと。豆を発芽させて、伸びた若い葉と茎を食べる緑黄色野菜です。
エンドウ豆は、収穫時期によって呼び名が異なります。最も早い時期に収穫されるのは「豆苗」。成長が進んで、若いサヤごと食べるのは「サヤエンドウ」や「スナップエンドウ」。未成熟の「実」を食べるのは「グリーンピース」。完熟させたものが「エンドウ豆」です。
同じ品種だったなんて、知りませんでした! なんか出世魚みたいですね(笑)。
豆苗は昔、高級野菜だった
エンドウ豆は、南西アジアで紀元前7,000年ころから作物として栽培されていました。なんとツタンカーメンの墳墓からも発見されているらしいです。
その豆を「豆苗」として食べ始めたのは中国。畑に植えて、春に出た新芽を一つひとつ手摘みするため、高値で取引されていました。そのため、かつては一部の貴族や特別な行事の時だけ食べられる貴重な食材だったそう。
日本に伝来したのは、1970年代を過ぎてから。しばらくは高級中華料理店といったごく限られた場所でしか味わえない高級品でした。1990年代半ばから植物工場での水耕栽培によって安定供給が可能に。今では一年中、お手頃価格で手に入る家計の味方として、私たちの食卓を彩ってくれています。
豆苗は栄養豊富な緑黄色野菜
豆苗は豆と緑黄色野菜の栄養を持ち合わせているため、その豊富な栄養価も注目されています。
ビタミンK、ビタミンA、葉酸、ビタミンC、食物繊維など様々な栄養素をバランス良く含んでいます。
お肌のターンオーバーを促し、ハリツヤを保ち、顔色も明るくし、デトックス効果もあるため、美容やアンチエイジングに◎
これはもう豆苗を食べない手はないでしょう!
脇芽を2つ残すのがポイント
豆苗は食べ終わった後、根を水に浸しておくと、新しい芽が伸びて7日から10日で再収穫できます。手軽なキッチン菜園として楽しめるうえに、子どもの食育にもピッタリ! 私も自宅で育ててみました♪
まず、最初に豆苗を切る時に気を付けたいポイントがあります。
種のすぐ上にある脇芽(わきめ)を2つ残して切るようにしてください。脇芽とは、植物が新たに芽を伸ばしていく部分(成長点)です。種ギリギリの所で切り落としてしまうと、生育に時間が掛かってしまいます。
実は、それを知るまでは欲張って種の際まで切っちゃってたんです。育ち方を比べてみましたが、脇芽を残す方が成長が早いですよ。
豆苗を育てる容器は、タッパーを使用しました。パッケージの袋を活かして育てることもできます。水は、1日1回、夏場は2回以上替えるのがベターです。
豆苗の再生栽培、始めます!
さて、ここから我らが豆苗ちゃんの成長記録を記していきます。
こちら、刈り取られた初日の豆苗です。角刈りです。散髪直後のスッキリ感があります。
切ってから1日目、2日目は大きな動きがありません。
大丈夫かな、豆苗ちゃん……。ちょっと不安になりだした3日目に、ぴょこんと1本の芽が出てきた! やだ、かわいい……♡
こうなると勢いが止まりません。4日目には、にょきにょきと芽が伸びてきます。
さながら、高度経済成長期の西新宿のよう。
6日目になると、更ににょきにょきしてきます。ほとんどの脇芽が伸びてきた。
すっかりかわいくて毎日見るのが楽しみに。がんばれ! 豆苗ちゃん!
そろそろ収穫時期かな?
8日目にはすっかり立派な豆苗の姿になりました。
こんなに立派になっちゃって……。母さんはうれしいよ(涙)。
ここまで来ると、我が子の更なる成長を見届けたくなってきました。
9日目になると、Yの字に。グングン伸びてますが、自らの重みで倒れてきましたね。
そろそろ収穫できそうだけど、あと1日待ってみよう。
そして10日目。
あららー! 爆発してる! 荒ぶってる!! ジャングルみたいになってる!!!
あまりの成長っぷりに、もう自重を支えられなくなっています。
ちょっと育ちすぎたかもしれないですね。
すっかり愛着が湧いてしまい、収穫するのがかわいそうになってきました……。
でも、美味しく食べられることが豆苗ちゃんの本望なはず! ちょっと寂しいけど、ここらで収穫することにします。
ありがとう、豆苗ちゃん。美味しく食べるね!
豆苗は何回まで食べられるの?
再生栽培ができる回数は、メーカーが推奨するのは2回目までだそう。3回目以降は脇芽がなくなり、著しく成長が弱まります。
試しに3回育ててみたら、明らかに成長スピードが遅くなり、豆苗の茎も細く、味も少々薄まった印象でした。
また、夏場は豆が腐ったり、カビたりすることがあるので生育中のトラブルが増えるようです。水を取り換えるだけでよいので、負担はあまり感じず、子どもも楽しめると思いました。
では、刈り取った豆苗ちゃんを美味しく食べましょう。
炒めものにするのが定番ですが、その他で簡単にできるアレンジレシピをご紹介します。
生でサラダにしてもよし、加熱してもよしの万能野菜! 様々な料理の彩りにチャチャッと使いやすくてとても便利ですよ。
その1|豆苗と豆もやしのナムル
【材料】作りやすい分量
豆苗:100g(1株)
豆もやし:200g
ゴマ油:適量
昆布茶:適量
材料は4つだけの豆苗と豆もやしの簡単和え物です。
あと一品あるとうれしい副菜です。作り置きもできますよ。
豆苗だけでも十分美味しいけど、豆もやしを入れることでかさ増しになって、栄養価も食感もアップ! 調理はレンジだけでOK!
ボウルに食べやすく切った豆苗を用意します。レンジで2~3分チンした豆もやしを、熱いうちに豆苗の入ったボウルに入れ、ラップをかけて蒸らします。豆苗がしんなりしたら、ゴマ油を回し入れて、最後に昆布茶を混ぜたら出来上がり◎
豆苗のシャキシャキ食感がたまらない一品。
その2|トマトと豆苗のスープ
【材料】2人分
豆苗:50g(1/2株)
トマト(小角に切る):1個
ゴマ油:大さじ1
塩:適量
水:300ml
トマトと豆苗の栄養を丸ごといただける簡単スープで温活しませんか?
小鍋にトマトと水を加えて沸騰させます。トマトには旨味成分のグルタミン酸がたっぷりだから、出汁を入れなくてもOK!
トマトの少し角が取れて煮崩れるまでコトコト煮たら、最後に豆苗を加えます。豆苗の緑色とシャキッと食感も残ってよき♡風味付けにゴマ油を足らせば出来上がり。
簡単だから忙しい朝にもピッタリなスープです。
その3|シャキシャキが美味しい!豆苗塩焼きそば
【材料】1人分
中華蒸し麺:1玉
豆苗:50g(1/2株)
ニンニク(みじん切り):1粒
ゴマ油:大さじ1
塩昆布:ひとつまみ
塩:適量
中華の定番! 豆苗炒め×焼きそば=美味いに決まってる!という事で、豆苗が主役の塩焼きそばを作ってみました。
まず、フライパンにニンニクとゴマ油を入れて香ばしく炒めます。レンジで温めた蒸し麺をほぐしながら炒めます。塩昆布と塩でササッと味を付けて、最後に食べやすく切った豆苗をサッと炒め合わせれば、出来上がり。
ポイントは、ニンニクをガツンと効かせ、豆苗は炒め過ぎないでシャキッと食感に仕上げること。そうすれば、ビールに合う焼きそばが爆誕します。
いかがでしたか? 今回は豆苗の根を捨てずに再生栽培してみました。
今まで1回食べたら捨ててしまっていた方。もったいないでしょ? 是非再生栽培にチャレンジしてみてくださいね。
「もったいないを美味しくする」って、なんだかいいことした気持ちになりますよ!
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