2024/08/05

「飲む点滴」麹甘酒の健康・美容効果とは? 炊飯器での作り方とレシピをご紹介!

weeeat!編集部
「飲む点滴」麹甘酒の健康・美容効果とは? 炊飯器での作り方とレシピをご紹介!

「飲む点滴」「飲む美容液」とも言われる甘酒。夏バテ防止に効果的で、夏の季語にもなっているのはご存知ですか? また、実はおうちで簡単に手作りすることができるんですよ。
では、甘酒にはどのような栄養・健康効果があるのでしょうか? 手作りにする時に失敗しないためのポイントとは? 栄養士で発酵マイスターの編集部山崎が解説します。

「麹甘酒」と「酒粕甘酒」は違う飲み物

甘酒には、「麹甘酒」と「酒粕甘酒」の2種類があります。「麹甘酒」は、麹の酵素の力を利用した発酵食品です。「酒粕甘酒」は、酒粕をお湯で薄めて砂糖で甘みを付けたもので、発酵はしていません。どちらも日本酒造りに関係しており、麹は日本酒の原料、酒粕は発酵した醪(もろみ)を搾る時にできるものです。

このコラムでは、今人気になっている発酵食品「麹甘酒」について、健康・美容効果や手作りする方法について詳しく解説します。

発酵の力で生まれると甘さと栄養価

麹甘酒を作るには、まず蒸したお米に麹菌をつけて米麹を作ります。その米麹に水を加えると発酵が始まります。麹の酵素の力で米のデンプンを糖化させてブドウ糖にすることで、甘みが引き出されます。発酵させるには5565℃の温度で、520時間保温する必要があります。

アルコールが一切含まれていないので、お酒が飲めない方やお子さまでも楽しむことが出来ます。麹甘酒のブドウ糖の甘味はとても強く、「砂糖を使っていないの?」と驚くほどです。そのため、飲むだけではなく砂糖の代わりにお料理にも使えます。

甘い味の正体はブドウ糖です。ブドウ糖は脳のエネルギー源になります。その他にも肌や髪をつくるのに必要な必須アミノ酸、吸収率の高いビタミン等、全部で350種類以上もの栄養を含んでいます。微生物が発酵の過程でビタミン等の栄養を付加するため、発酵前より栄養価が上がるのです。まさに麹由来の栄養ドリンクと言えますね。

「甘酒」は夏の季語にもなっているくらい、夏バテ防止にピッタリな飲み物です。また、夏以外にも一年中継続して飲むことで、効果的に栄養補給ができます。

麹甘酒が「飲む美容液」と呼ばれる理由

医療用の点滴と成分が似ていることから「飲む点滴」と、美白効果が期待されることから「飲む美容液」とも呼ばれています。麹由来の酵素やビタミン、数え切れないほどの多くの栄養素が含まれています。

また、食物繊維やオリゴ糖が多く含まれており、腸内細菌のエサとなるため、腸内環境を改善し、美肌に繋がります。最近では、麹由来の「グルコシルセラミド」が、肌のバリア機能を向上させ、潤いを守る効果があると言われています。飲み続けていくと肌のきめが整うという研究結果もあります。

そして、抗酸化作用がビタミンE7,000倍もある「エルゴチオネイン」が含まれていることも分かってきました。これはアンチエイジング防止に役立つ成分です。そのため、女優やモデルの方に甘酒の愛飲者が多いそうです。

おうちの炊飯器で簡単!麹甘酒の作り方

そんな健康・美容に良い麹甘酒が、おうちで簡単に手作りできるんです!
今回は特別な道具は使わずに、炊飯器で作る方法をご紹介します。

【材料】

 ・生米麹300g
 ・水300ml

【準備】

 ・容器(耐熱性のタッパー)もしくは耐熱性の保存袋を用意します。
 ・容器の場合は、アルコール殺菌し、拭き取ります。
 ・炊飯器の内釜に乾いたタオルを敷きます。

【作り方】

 ①容器もしくは袋に米麹と水を入れます。
 ②容器の場合、蓋を軽く開けてださい(膨張して空いてしまうため)。
  袋の場合はそのまま炊飯器に入れます。
 ③炊飯器を「保温」に設定し、炊飯器の蓋を開けた状態で5時間~20時間程度温めます。
  好みの甘味になったら出来上がり。
 ④できあがったら冷蔵庫もしくは冷凍庫で保存します。

【ポイント】

 ・麹と水の割合は11が基本です。トロっとした濃度で、砂糖代わりにも使えます。
  飲む時は水で薄めても良いでしょう。
  飲用で作る場合は、最初から麹と水の割合を1:2の割合で作っても良いです。
 ・乾燥麹の場合は、水を吸うので少し硬めに仕上がります。水を2倍程入れると良いです。
 ・甘酒は栄養価が高く空気に触れると傷みやすくなるため、炊飯器には直入れせず
  容器もしくは袋を使用します。
 ・炊飯器の内釜を傷つけないように、乾いたタオルを敷いてから、容器や袋を載せます。
 ・冷房をつけた部屋で作る場合は、冷気が入らないようにするため、タオルをかけるか、
  蓋と本体部分の間を5cmくらい開けるようにテープでとめると良いです。

 ・容器はすぐ使えて便利です。
  ただ保存性はあまり良くないので、なるべく早めに食べましょう。
  袋で作ると、そのまま冷凍できて便利です。
  たくさん作る場合は半分ずつ作るのがおススメです。
 ・20時間以上発酵させても甘味は変わりません。
 ・炊いた米、黒米、玄米、紅茶等、様々なアレンジが可能です。

【保存方法】

 ・粗熱が取れたら容器に入れ、冷蔵庫で保存します。
 ・そのまま置いておくと発酵が進むので1週間~10日を目安に使い切りましょう。
  それ以上保存する場合は、味が変わってしまうので、冷凍保存がおススメです。

こちらのページで、炊飯器を使った甘酒の作り方を説明しています。

炊飯器で簡単!黒米の麹甘酒(砂糖不使用)

黒米を使ったプチプチ食感とピンク色がかわいい甘酒です。

▶レシピはこちら

効果的な飲み方と調味料としての使い方

健康にいいからと言って飲み過ぎてしまうと、糖分の取り過ぎで太るのでご注意を(笑)。
おすすめの飲む量は1回おちょこ1杯(1日100ml~200ml程度)です。
飲むタイミングに決まりはありません。朝に飲むと、ブドウ糖により脳が働くようになります。食後に飲むと、血糖値の上昇を抑えることができます。お酒を飲む前に飲むと、悪酔い防止にもなります。

毎日少しずつ長期的に続けると、腸内フローラを活性化します。飲む以外に、お料理やお菓子作りに使うのもおススメです。砂糖の代わりに使うと、自然な甘さをつけてくれます。ドレッシングや煮物、炒め物に入れるのもおすすめです。果物を混ぜてスムージーに、凍らせればアイスにもなります。水分量に気をつければ、焼き菓子などにも使用できます。

甘酒を使ったweeeat!レシピ紹介

甘酒は飲むだけではなく、材料として様々な料理に使うことができます。
ここでは、『weeeat!』で紹介した甘酒レシピをご紹介します。

その1|混ぜるだけ簡単!甘酒と豆乳のアイス(砂糖・乳・卵不使用)

甘酒と豆乳を好みのフルーツを混ぜて凍らすだけのヘルシーアイス!

▶レシピはこちら

その2|甘酒の甘味を味わうチェー

白玉の生地とココナッツミルクにも甘酒を使ったチェーです。

▶レシピはこちら

その3|甘酒と塩麹でつくる無添加キムチ(動物性不使用)

ヤンニョムジャンに甘酒の自然の甘さをプラスしました。

▶レシピはこちら

その4|大人の生チョコ2種~カシスリキュール&甘酒~(生クリーム不使用)

甘酒と豆乳クリームを使った優しい甘さの生チョコです。

▶レシピはこちら

その5|甘酒をつかったうさぎのちぎりパン(卵・乳不使用)

甘酒を使ったほんのり甘いパンです。お子様にもおススメです。

▶レシピはこちら

いかがでしたでしょうか。今回は、甘酒の健康・美容効果、基本の作り方やレシピを紹介しました。慣れてきたら、様々なアレンジ甘酒作りにもチャレンジしてみてください。

作るのが大変な方は、市販の甘酒でも健康効果は変わりません。市販品は、流通させるため火入れ殺菌していますが、ブドウ糖などの栄養価にはほとんど変化はないため、同じような効果があります。メーカーや原料で味わいが異なりますので、お好みの甘酒を飲んで、暑い夏を乗り切りましょう!

参考:

『発酵検定公式テキスト』一般社団法人 日本発酵文化協会 (監修)

知るほどスゴい麹甘酒のチカラ Vol.3 [美容効果編] | 八海山

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